葉が落ちてなほ

あらかたの葉失せ十月桜かな

「冬桜」という季語はある。

「十月桜」は季語ではないらしいが、辛うじて「十月」とあるのでお許し願おう。
一般には四季咲き、というか春と秋の二季咲きで、「春の桜」のようにぱっと咲いてぱっと終わるという潔さはなく、晩秋にはあらかた葉を落としても各枝にほつほつ、だらだらと咲き続ける。
冬桜も11月頃から年内くらいと春4月の二季咲きで一重なのに対し、十月桜は通常は八重咲きである。
十月桜と言っても初冬までは咲くので、この区別は厳密に考えることはないだろう。
冬なら冬桜と思えばいいし、十月に盛りを迎えているのなら十月桜で通じると思われる。
いずれにしても年が明けてから咲く「寒桜」はまったく違うものである。

ただ、いずれの花も、まわりの景色すべてが色褪せかけ、あるいは枯れた時期にあっても、遠目には何か咲いてるという発見、実感があり、思わず駆け寄って確かめたくなるものであることは共通している。

“葉が落ちてなほ” への4件の返信

  1. 豊田市の小原村は四季桜で有名である。
    春よりも秋が見頃らしいです。
    11月になれば紅葉とのコントラストでさぞ見ごたえがあるでしょう。

    ここは和紙の故郷でもあり紙すき体験ができるとのことで来年はグループで紙すきを予定している。

    1. 小原村というのは初めて聞く名前です。また、紙すきの里というのも初めて知りました。
      長野県境にも近い所なんでしょうか。

  2. 十月桜ですか、所どころに見かけますね。それを名所にしてる所もあるんでしょうね。でもやっぱり桜は春。パッと咲いて潔く散るのがいい。ほつほつ、だらだらでは場違いで未練がましく感じてしまいます。

    1. 桜の名所と言われるところは、三春の滝桜などをのぞき通常「群生」がキーワード。冬桜、十月桜などは殺風景な場に花を添えるものなので、一本で十分と言う気がします。
      いずれにしても、秋、冬の桜は「何だろう」と言って人を集める木であるのは間違いありませんね。

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