大綿に先を譲れる野道かな
もうそんな季節なんだと思う。
数日前の小春日に公園で発見したが、これが飛べば雪が近いとか。
まさに今日など冷たい風があって、屋外にじっとしていると膚寒を越えているようだった。今年の冬はいつもより早く訪れるような予感さえする日だ。
綿虫というのは、焦点がすぐに合わない老眼にも、あのゆっくりとした綿虫の動きにはついていける。分かるがゆえに、道で出会ったりすればあの優雅な飛翔をしばらく楽しむことが可能だ。
ただ、綿虫は人肌の熱でさえ死んでしまうと言われるほど繊細な生き物らしく、手で捕らえようとしてはいけないそうである。だから、さまようさまをただ目で追うことだけで満足しなければならない。