サンタクロース今来たるよな飾りかな
ベランダにサンタクロースの飾りかな
クリスマスイブとかで、家の外にまでいろいろ飾り付けをする家が増えた。
今日見たのは、ベランダに縄梯子が架けてあって、そこにサンタ人形がよじ登っているという、家そのものがツリーという凝った意匠ものだった。いろいろ考えだすといろいろなアイデアが浮かぶんだろうな。
さて、今年後半の十句。
九月にステント手術を受けるという思わぬ仕儀となり、ちょいと冴えない期間でもあった。
結界の外は現世夏あざみ
仲秋や吾を貫くカテーテル
今日さらに遠くまで来し曼珠沙華
堂奥の像にとどける秋日かな◎
充血の目をむき鹿の角切らる
入舟の遅々と進まず秋の潮
アンテナのぷるんと震へ鵙の消ゆ
御旅所の雑仕ら囲む焚火かな◎
餅搗を了へし臼より湯気上る◎
仕留めしを口々に誉め薬喰◎
◎は俳句会入選句
一部手直しをしています
繁華街にも個人の家にもクリスマスのイルミネーションが華やかですね。
今日の10句からは先ず
結界のこちら現世夏あざみ
この結界という言葉が初耳で現世との境目 夏あざみが効いていて印象的です。
仲秋や吾を貫くカテーテル
入院の不安と心細さが感じられます。
アンテナのぷるんと震へ鵙の消ゆ
鵙の飛び立った瞬間をよくとらえられていいな~と思いました。
「常世(とこよ)」と「現世(うつしよ)」、「聖」と「俗」。これらを隔てるものが結界。「標」「注連」も同類ですね。陵は常世ですので、結界のこちらとは今立っている俗世間、あるいは現世。ちょっと回りくどい表現でしたね。
すっかり健康を取り戻されたようで何よりです。
目指せ5000句ももう1000句ほどにいってるんじゃないですか。
三茶撰
結界のこちら現世夏あざみ
仲秋や吾を貫くカテーテル
今日さらに遠くまで来し曼珠沙華
入院~リハビリの三部作をいただきました。
二年半ほどですから千にはちょっと欠ける程度でしょうか。道はなかなか遠いです。
その折々で好みの句も変わってくる私なので、詠者と読者の心のありようを考えると面白いですね。
後半句より 南天撰
天 堂奥の像にとどける秋日かな
地 餅搗を了へし臼より湯気上がる
人 結界の外は現世夏あざみ
来年もいい句ができると良いですね。
最近ひとつひとつ古文法を確認する癖がつきました。俳句会の主宰が、ことのほか文法にうるさくて内容がどんなによくても採らないという方針なので。
ちゃんと古文に親しんでおけばと今さらながら悔やんでおります。
餅搗きは猿沢の池のすぐ下にある三条通の餅屋の店頭風景です。臼に杵が揃えられ次の出番を待つまでの様子を詠みました。