災害とインフラ

大出水恃みの井戸の冠水し
早退の機を逸したる出水かな
早退の出鼻くじきし出水かな
早退の帰路を塞ぎし出水かな
入居者の避難急なる出水かな
入居者の避難に暮れし出水かな
校庭に出水見舞ひの飯を炊く
一族の田地田畑大出水
城下守る堤の外の出水かな
町ぐるみ水攻め受けし大出水

新興住宅地が軒並み水害に見舞われたシーンは痛ましい。

昔は人が住んでいなかったような低い土地、田圃などに進出した結果、当然のことに水害に弱い土地が増えてきたのである。治水が容易ではなく、川が暴れるままに任せるしかなかった時代の人たちは、経験上水の来ない高い土地に住むのは当然だし、井戸などを利用して飲み水もうまく手に入れる知恵もあった。

ただ、最近のように雨量が100ミリを超えるのが常態化してくると、高い土地にも洪水は押し寄せ、土砂崩れの危険がさらに高まるようだ。
井戸など重宝していた古くからの家も、井戸が冠水してしまっては後片付けにも、飲み水にも使えない。電気、ガスなど恃みのインフラに被害があればさらに復旧は遅れる。

“災害とインフラ” への4件の返信

  1. 西日本の水害は目に余ります。
    これから梅雨前線も北上するのでしょうね。

    先日ご紹介のキヨノリさんの「梅干しと日本刀」樋口清之、題に魅かれて最新の新書版で読み始めました(まだ半分くらい)
    著者は奈良出身の1909年生まれ。。
    先人の知恵、食文化、ものづくりの歴史は改めて考えさせるものがありました。
    わが民族は素晴らしいと感動し誇りに思いました。

    1. この本は相当昔に読んだことがあり、細かな内容は忘れましたが日本文化の良さを再認識させられた名著であった記憶があります。
      ゲームだの、VRだの、脳の一部分を瞞すような人工的なものにはすごく抵抗がありますが、それも今ではクールな日本カルチャーだとしてもてはやされています。
      不易流行。
      塩分は体に悪いと言うことで、梅干しはおろか味噌汁さえ飲ませてもらえないのもどうかと思いますよ。

  2. 災害に備えインフラ強化をどこまでやるか。難しい問題だと思います。どんなに堅固なインフラを構えても局地的に100年に一度の大雨が降ればそこはアウトでしょう。東京に一昼夜500ミリの雨が降れば首都は沈没です。それにしても熊本はお気の毒です。まあいいこともあるでしょうよ。

    1. 国の力がいよいよ衰えてきて、既存のインフラを維持することすらままならなくなりました。これも政策の取捨選択の問題になることでしょう。

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