宿根草なのだが

今年また 根づかぬと知り 勿忘草

この時期ホームセンターの園芸コーナーが活気づいている。

手に手に野菜や花のポット苗を手にしたり、プランターや肥料などをバスケットに入れてレジに並ぶ人の列。
例年勿忘草の鉢を買っては庭におろすのであるが、多年生なのに暑さに弱いせいか年を越すことができないでいる。
今年もまたホームセンターであの楚々とした花を見ると一鉢と買ってしまいそうだ。

追)今日から表紙絵を伝飛鳥板葺宮跡からみた甘樫の丘のものに変えました。右手頂上の樹木が途切れている部分が展望台です。360度のパノラマが素晴らしい。

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時を逸する

二上に 立つべき春の はや暮れぬ

二上山は500m足らずだから低山である。

奈良には古くからの歴史に関係する山が多く、そしてこれが大事なのだがさして高くないので山歩き、と言ってもハイキングレベルだが、に挑戦しようと最近思うようになった。
実のところ、若い頃に奥多摩とか蓑毛あたりのハイキングで音を上げたので今まで山というのは苦手意識が優っていたのだが、こんな身近に日帰りハイキングコースがいくつもあると背中を押してくれるような気がする。

登るなら最初は二上山と決めていたのだが、ずるずると今日まで。
すでに30度超えの日もあり一気に夏が来そうだというのに、ハイキング入門に最適な4月はもう終わろうとしている。

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多武峰新緑

宮跡も それと聞かずば 春の風

こんな狭い里に最初の中央政権王朝の宮があったとは。



伝飛鳥板葺宮跡の遺構に立って北に向かってゆるやかな下り斜面を眺めると、西に甘樫の丘、北に飛鳥寺がすぐ近くに迫っている。天武の時代、外国からの要人接待も含めたまつりごとを行うにはぞ手狭だったろう。

存命中には遷都が叶わなかったが、持統が遺志をついで藤原京を完成させた。こちらは、大和三山に囲まれた広大なエリアだが、飛鳥の宮を懐かしんで詠んだ歌。

采女の 袖吹きかへす 明日香風 都を遠み いたずらに吹く・・・・・万葉集 巻1‐51 志貴皇子

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車窓から

単線の 踏切待ちや 諸葛菜

県内を走る電車のうち、半分くらいは単線である。

だから、踏切で待たされる確率も低いわけだが、それでも実感としてはわりあい待たされることが多いような気がする。単線故にすれ違い待ちすることが避けられない。だからすれ違い駅の近くの踏切では遮断している時間が連続し、待ち時間が長く感じてしまうということもあろう。

今日も、踏切待ちしているとき線路脇の諸葛菜(俗に大根の花という)の明るい紫色が目に映った。

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紫外線

袖たくし 肘も露わに 夏近し

昨日などはとうとうTシャツ1枚で過ごせるような陽気だった。

紫外線もよほど強くなったのだろう、外で2,3時間作業しただけでもう腕の日焼けがひどい。
明日からまた強い日差しが戻ってくるらしい。

あまり早くから暑くなると、この夏が猛暑にならなければよいがと気がかりになってくる。
なにしろ関電の発電事情が逼迫するというのだから。
まさか、関西に来てまで計画停電になろうとは誰が予想したであろう。

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花から花へ

腹這って 見えてくるもの 紫雲英畑


当地の田や畑ではようやくゲンゲ(れんげ)が咲き始めた。

遠くから一面に広がった薄紫の畑を眺めるのもいいが、たまにはしゃがんで、あるいは腹這って花の一つ一つを間近でみると新しい発見があったりして面白いものだ。
この日も、花をアップで撮ろうと近寄ったら、いるいる、働き蜂君たちがぶんぶん飛んでいて蜜を集めるのに余念がない。お腹の辺りに花粉球がついてるが、見えるかな?
本格的なマクロレンズでもあれば背景をうまく整理できるのだが、これはこれで十分に別の世界を切り取っていると思うがどうだろうか。

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夏に向かって

蘊蓄をかたむけ 亭主の花水木

街に花水木が賑やかに咲くようになると東京の家が懐かしくなる。

メインツリーとして20年以上我が家の顔だった花水木が満開を迎えると、ご近所の人や通り過ぎる人から賞賛の声をいただいたものだった。
今でこそ花水木は街路樹に庭木にとポピュラーな存在で、各種の栽培品種も出回っているが、当時ははなびら(実際には花弁ではなく総苞片)が小さな薄赤色のものしかなかった。
ただ、元来樹形が円錐形に整いやすく、葉よりも花のほうが先ということもあってこれが枝いっぱいに花をつけるとさながら春のツリーという風になり、遠くからでもはっきりと認められるのであった。

その花水木の足下には芝桜やらサツキやらカルミアやら、これから5月連休にかけて賑やかな日々がやってくる。

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菜の花もどき

芥子菜の 半ばを占める 河原かな

とくに関西以西の河原に多いという。

西洋芥子菜。
食用としての芥子菜は弥生時代に渡来したものらしいが、それが野生化したのが西洋芥子菜だそうである。
最初見たときは、菜の花、つまり油菜かと思ったが、よく見れば葉や花にボリューム感が足りない。
遠目では分からないが、近づいてみると「?」となる。
時期的には菜の花が4月初旬頃におわるとすれば、こちらは一月くらい遅れるようである。

関東地方の河原で、もしも菜の花のようなものが群生していればそれはセイヨウカラシナかもしれない。

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汐吹き

床濡れる ほどに砂吐く 浅蜊かな

今ではアサリやシジミというのは、スーパーで買うのが当たり前となっている。

この時期になるとうまいアサリの汁を食いたくなるのだが、うちの嫁さんときたら、流通が複雑で本当の産地というのがよく分からないという理由ですっかり買ってこなくなった。
たしかに、三重産と書いてあっても最後の袋詰めしたのが三重であって、そいつはもしかしたら半島からの輸入物かもしれないのだ。
産地はともかく、複雑な流通のせいか、ぷっくらしたアサリなりシジミというのは最近は滅多に口に出来なくなったのは事実である。それに、真空パックみたいな袋詰めされ息も絶え絶えのアサリなどとても旨そうには思えない。

大粒のアサリをバケツ一杯収穫しては包丁を差し込んだ金盥で砂吐きさせるのだが、床がすっかり濡れるほど盛大な飛沫がとんだ昔の光景が懐かしい。

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葦始生(あしはじめてしょうず)

一畝の 芽掻き終えたる 穀雨かな

平群の特産・小菊の新芽がいっせいに吹き出したようだ。

数人の農婦が畝の手入れをしている。
不揃いの新芽を整えているのだろう。
今のは多分二ヶ月くらい先の出荷だろうから、盆、秋彼岸とピークにむけて時期をずらしながら畝の準備がされるんではなかろうか。このあたりは、観察を怠ってはならない。

今年の穀雨は実は昨日、穀雨を使った句を詠もうと思っていたのに当日はすっかり忘れていた。

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