散りようが命

掃かぬまま山茶花風の運ぶなし

山茶花が咲き始めたようだ。

とくに香りが強いわけでもなく、木もあまり大きくは伸びないせいか、椿に比べれば地味とは言えるが、何と言ってもこの花の特徴は、長い期間にわたって咲いては散ってを繰り返すことにある。同時に、株の根元に散り敷いた花びらさえも愛でることができる。
そういう意味では、散ったからと言ってすぐに掃かないことも肝要で、散り積もるまでしばらく放置しておくのがいい。
強風が吹かないかぎり飛散することもないので、お隣への迷惑もあまり心配ないかもしれない。

花は花として、散った花びらの風情がさらにいい。
二年前に大覚寺の庭で見た山茶花の散り様は、今もあざやかに思い出すことができる。

“散りようが命” への2件の返信

  1. 散り敷いた山茶花の花弁をよく見ると桜や紅葉のように乾燥していないのが特徴ですね。
    ひとひらごとにしっとり感があり、かさこそとした音は感じられません。
    あまり飛散しないので重なり合った美しさがあります。
    大覚寺のお庭、山茶花気づきませんでした。

    1. 大覚寺がそうでしたが、苔の庭には以外に似合いますね。これがコンクリートなどの無機質なものだったら、味わいが出ませんね。

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