16年の句から(前編)

クリスマス週末はちょっと一息ついて、今年の句を振り返ってみましょう。
まずは前半から。

寒紅をひいて退院まぢかなる
悴みて共働きの家事担ふ
休講と板書あるのみ冴返る
パスポートいつ切れしやら鳥雲に
古墳あるだけの公園のどけしや
春愁や活断層に沿うて住み
早退の帰路を塞ぎし出水かな
校庭に出水見舞ひの飯を炊く

10句を挙げることはかなわず、総じて前半は不調でした。
結社雑詠毎月五句の内四句入選をめざすも、目標を下回っているし。

この中からあえてベスト3を挙げるとすれば、

1 パスポートいつ切れしやら鳥雲に
2 休講と板書あるのみ冴返る
3 古墳あるだけの公園のどけしや

さえなかった前半ですが、このパスポートの句だけは今年を通してもベストワンではないかと自負しております。とかく二物対比で詠むのは難しいものですが、うまくいったと胸を張れるのはこれが初めてでしょう。

“16年の句から(前編)” への2件の返信

  1. パスポートと鳥雲が絶妙ですね。
    ちょっとこういう発想は想像もつきませんでした。
    高度なテクニックと思います。

    1. テクニックというか、季語の本意とか本情にかなう自分の言葉探し、発見の作業ですね。類句は禁物なので、どれだけ発想を自由に飛翔させるか。頭が固いと堂々巡りばかりなので、自身を解き放つことができればいいのですが。

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