独り占め

散り敷いてなほ隙間なく銀杏散る

「銀杏散る」は「銀杏落葉」の傍題だという。

昨日の「黄落」も同じく傍題のひとつであるが、これは銀杏にかぎらず欅、櫟など黄葉が散ることをいい、ニュアンスがちょっと違うようだ。
人があまり訪れないが、意外に銀杏落葉が見事な場所がある。
例えば、初瀬の素盞雄(すさのお)神社の大銀杏である。全高40メートル、県下最大の銀杏である。境内全体を覆うほど樹形がすそ広がりに大きく、その落葉は境内のほとんどを埋め尽くすばかりである。
人も多くないせいか、誰の足にも汚されない散り落葉がふかふかと、それはみごとなものである。レンズの望遠効果で強調された画像のものとはまったく違う。
この時期、初瀬川を挟んで対岸にある長谷寺からは、見事に黄葉した銀杏が屹然と立っている様子をはっきりと認めることができる。そして階段の最後の一段を登り切れば、そこは誰も居ない境内。その銀杏黄葉、落葉を独り占めする気分は特別である。

“独り占め” への2件の返信

  1. 映像では全国各地の見事な紅葉、黄葉をふんだんに見せてくれ行ってみたいな~と思わせる。
    カメラの性能もさることながらプロのカメラマンの腕による絶景である。
    実際はどうなんだろう?
    映像で見る神宮外苑の遠近感のあるイチョウ並木もその一つであるが一度も行ったことがないのでここも憧れの場所である。
    ただ人が多いのが難である、その点、初瀬は良さそうですね。

    1. 映像は切り取ったもの、そしてプロのアングルから撮ったもの。平凡なものでもこれはというものに仕立てる技はさすがです。
      身近な場所でも、探せばいいアングルがあるはず。
      わが家の二階から見える八幡さんの一本桜の紅葉があたりをはらってそびえています。脇に控える楓が一気に紅葉の度合いをまして存在をアピールしています。今日あたりがピークかと。

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