登坂路に息整へて冬椿
詫助なんだろうか。
足下ばかりに気がいって今まで気づかなかったが、いきなり眼前におびただしく椿が落ちている。潔いくらいの白である。花片は小さく、あまり開かない。そのかわりに、全体の大きさのわりに蘂がやたら大きい。
あまり人が通らないらしく、踏まれずに、汚れずにいるのがいくつもある。
見上げると、木の高さは3メートルくらい。大きな木に囲まれているので、せいいっぱい背伸びをしたのだろう。
人の踏む道にかぶさるように枝が伸びていて、ちょうどトンネルのようである。
しばらく行くと、また同じような椿に出会った。
地味な椿って意外にいいものだなと思い直した。
昔は山茶花が好きでしたが最近になって椿のほうが好きになっている事に気づかされます。
特に山道にひっそり咲いている藪椿には心を奪われます。
これも歳月のなせる業でしょうか・・・
好みって変わるものですね。
山茶花もいいのですが、最近の品種かどうか、やたら長く咲き続ける種類はちょっとどうかとも思います。
椿も山茶花も控えめで未練たらしく咲き続かないタイプがいいですね。