氷室社の手水あふれて薄氷
手つかずの森はすぐそこ春の水
奈良町、奈良公園の水という水はすべて凍っている。
東大寺前の鏡池は文字通り氷面鏡となって、松落葉を閉じこめている。
鹿たちの沼田場も凍りついて、春日の森から流れてくる水はふだんから多いようであるが、その一部も氷が張って鹿はその隙間の水を飲んでいる。
薄氷、春の水と季語としては春のものだが、奈良は真冬の底にある。
何とか春を見つけようと二月堂に向かったものの、修二会の準備作業も今日やっと始まったばかりで、春と言えば二月堂下の屋敷の塀越しにいく粒かの紅梅を発見したくらい。
修理を終わり、三年ぶりかで帰ってきた不空羂索観音さまにお会いしたが、残存のお堂としては最古の堂は底冷えがして10分とはいられないくらい。
それにしても日が随分と伸びたものだ。
吟行から帰ってきても外は十分に明るい。
寒さが身にしみますが日脚が伸びただけでも気持ちが明るくなり外出時には安心感をもたらします。
やはりお天道様の恩恵は大きいですね。
今朝は洗濯物を干す矢先から板のようにぱんぱんに凍ってしまい手がかじかんでしまいました。
もう外出に車は手放せない、今冬は我が足代わりに大活躍です。
東大寺の大伽藍、見上げるような屋根に立派な大鴟尾が見えるんですが、正月に比べると日が高くなってますます輝きがましたような気がします。
立春はいわば昔からの農作業の基点ですが、日に日に強さが増していくお日様は頼もしい。
今日は、さかんにジョー君が庭に飛んできます。餌に困ってるのでしょうね。地べたを歩いて、みぃーちゃんに捕まらなければいいんですが。
「修理を終わり、三年ぶりかで帰ってきた不空羂索観音さまにお会いしたが、残存のお堂としては最古の堂は底冷えがして10分とはいられないくらい。」
そうですか、法華堂の不空羂索観音さんが 3年ぶりで
帰ってきたのですか?
最近、建てやの改修、修理中で秘仏が 展示されることが よくあり、
関東住いの者にとっては 貴重な拝観が出来ます。つい最近では
運慶展に次ぎ、仁和寺展が開催、観音堂内部が再現、壁画も東京芸大が
「億」画素撮影で実物大で作成されており 圧巻のようです。
(まだ 行っていません)
でも この不空羂索観音さんは あの大きさ、あのデコレーション(?)
では移動は ちょっと無理でしょうね。3年間も どこに 隠れて
おられたんでしょうね。
※ 作品とは 関係ない話で 恐縮です。
東大寺南大門に入ってすぐ左にある東大寺ミュージアムの目玉仏さんとして存在感を放っておられました。
「不空羂索観音」というのはあの綱でひとり漏らさずお救いになる観音さんと言う意味だそうです。全国でもあまり見られない観音さんですね。
立て替えと言えば、薬師寺の東塔修理の完成が待たれます。平成30年度といいますから間近です。