六文銭バット持たせて春の雨
肩広の骨を拾うて春の雨
強肩の体躯棺に春の雨
「春雨」と「春の雨」というと似ているようで違うような気もする。
春雨は文字通り、「濡れていこう」の春雨である。いよいよ暖かさをもたらし、ものの恵みをもたらすという明るく、艶やかなイメージが伴う。一方、後者は暦が春になったばかりの頃で、それまでの雪に替わるものとしての雨というイメージであろうか。
実際には、ホトトギス歳時記では同じ項に並べられているので、あくまで私見ではあるのだが。
高校の同窓生が亡くなった。
一年近く格闘したが、野球で鍛えた体も病には勝てなかったと聞く。
幅広の肩も骨ばかりになって、棺におさまった姿を想像する。
強肩の男棺に春の雨 彼岸の涙雨ですね。
雨を心配しながら春季彼岸法要に出かけた。
墓参も無事すませて実家へ。
こちらもどんよりと霞んだ空模様だが何とか雨に降られずに済んだ。
温泉から出たころに雨がぽつぽつ振り出した。春の雨である。
13キロの渋滞を避けて途中から高速に乗ったがだんだん雨はひどくなってきた。
往復とも家人が運転してくれたが私はとてもじゃないが雨の夜、しかも高速道路なんて無理。
慌ただしい日帰りの墓参であったが家人に感謝!!
墓参、おつかれさまでした。年に何度も参られて感心しております。
目がよく見えるようになっても、夜の運転は好きにはなれないようですね。私も夜は極端に見えにくい、というか灯りが滲むように見えて裸眼では無理になりました。
季節を迎えるたび、こうして衰えていくものなんですね。
<高校の同窓生が亡くなった。>
なんとも辛いお話ですね。
我が高校野球部。決して強くはなかったが、夏の大会予選、応援しましたね。
H君の剛速球をF君が受け、H、Ⅰ君が堅守を誇っていた。あんなに若くて健康そのものだった青春の雄姿。
いつまでも若い気分でおりますが、一方、身体の方は言うことを聞いてくれません。
天からお声がかかるのも、きっと厳しい順番があるんでしょう。
心から冥福をお祈りいたします。
そのF君です。最近の若い子には見られない、いかにも漢といういかつい顔かたちでしたが、芯はやさしい心の持ち主でした。
天は無情にもいいひとから順に召されていくようです。
となると、私の順番はいつなんでしょうね。
肩広の 骨を拾うて 春の雨
ほだかさんの句にしては 珍しく(?)凄く シュール!
子規の句を彷彿します。
「骨」と「春の雨」の並びが とても 効いています。
古稀にもなると こういう句は グサッときますね。
実際の葬儀には参列してないので、今までのつきあいからイメージで追悼句として詠んでみました。
最後に会ったのは、10年くらい前でしょうか。
俳句詠みはこれくらいしかできません。