夏一色

百合の木の王冠めける花立つる
朴の花透けてうごめくものの影

初めて見た。

朴よりは幾分小さいが立派な葉を茂らせており、その葉陰を縫うように花をつけている。
朴の花と同じく、見上げなければならないが、ポットのような花弁に黄金色の横縞一本巡らせてなかなか気品がある花だ。
桐、朴の木も終末というかんじで春はとっくに過ぎ去った感を強くした。
まほろば句会は30度近い馬見丘陵で、若葉風にいやされる夏一色という風情。

“夏一色” への4件の返信

  1. 真夏日の吟行は大変ですね。
    でもちゃんと句が詠めて立派です。

    昨夜のテレビで俳人がよく訪れるという東吉野村の「天好園」、そのまた奥地の千本枝垂桜の映像は天空の楽園のような美しさでした。
    東吉野村って奈良でも相当の奥地と思い地図で調べてみたらお隣は松坂で近くに参宮街道があるのですね。
    映像で見る限り交通機関もコミュニティバスしかないような僻地で我が故郷の矢頭山の山道を想像しました。

    1. 東吉野村というのはあの高見山峠を抜けて伊勢へ出るルートにあるのですが、天誅組の終焉の地としても知られています。
      村あげて俳句界との交流が盛んで、あちこちに誓子はじめ知られた俳人の句碑が見られます。原石鼎はこの村で俳句に開眼したとも言われ、過疎地の中でもちょっとした過疎地なんです。
      天好園は国道からはちょっと外れるのですが、各結社が句会などでよく利用します。
      他には、あのニホンオオカミを最後に見た村としても知られ、また高見山など台高山脈に源を発する吉野川への清流の村、水の丹生川上神社は元吉野の奥行宮跡として古い歴史をもっています。

  2. 昨日は、まさに夏一色。
    本日は一転、早や小雨模様で肌寒い。

    これほど季節感が日替わりすると、季語なるものも体感とにズレが生じてきます。
    風光るは4月、風薫るは5月だもんね。ややこしや~。

    高見山。
    こんなに姿形のいい山は、そうざらにはありません。日本のマッターホルンとは言い得て妙。
    しかし登るとなかなか手ごわい山です。下りも、ひと時も気を緩めてはおれません。急登、急降下は半端ではありません。
    奈良と三重を境する山脈は、個性派の山の競演ですね。
    霧氷の三峰、展望の日出ガ岳(渓谷美の大杉谷)など、思い出一杯詰まっております。

    1. さすが山男。地元の山はみな登り尽くされましたか。
      高見山は自宅からでも宇陀の奥の方によく見えて、あの孤峰に雪が被った姿は実際の高さよりもずっと大きく見えて、和みをいただいてます。
      聞けば、関西でも霧氷の山として知られているのですね。
      高見峠の道路は随分整備されて素晴らしいのですが、眼前に台高山脈が切り立ち、中央構造線特有の深い切れ込みの下に真っ逆さまに突っ込んでいくと、空恐ろしさを覚えます。山道を走るのは大好きですが、そんな感覚は初めての経験です。

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