大手を振る

黴のズボン鼻先に立つ車内かな
黴拭うてもとの箪笥の肥やしかな

思わず顔を見てしまった。

小便のしみが黴となったズボンが顔先にある。
電車の座席にすわっていたときのことだ。
世の中には、これほどとなっても無頓着なひとがいるのだ。
それにしても、度が過ぎてはいやしないか。
黴が大手を振って歩いているようなものだ。
背広を着ているので、世捨て人とは思われぬが。

“大手を振る” への3件の返信

  1. 思わず吹き出してしまいました、鼻先に突きつけられて匂いませんでしたか?
    90代のご老人なら仕方なく許してあげましょう。
    このような場面も句になるのですね、季語は黴ですか。

    今年の梅雨はメリハリが効いているので行動しやすい。
    晴れればアウト、降ればインと使い分けて楽しめる。
    と言う訳で例によって映画館、黒沢作品シリーズである。
    「用心棒」に続いて今日は「椿三十郎」黒澤、三船コンビはさすがです。
    ユーモアあり芸術的でもあり、ただの斬った張っただけではない。
    役者もそれぞれに個性的だったしカラーだったら又違う味わいになったのではないかとも思える。
    でもこれは考えようによっては白黒ならではの作品かもしれない。

    1. モノクロというのは写真でも独特な味わいがあり、色彩に頼らないシルエット、濃淡など難しい技術が要求されます。
      あえてモノクロで撮った映画というのも何か意図があるんでしょうねえ。

  2. 続・・・
    この映画でもう一つ印象的だったのは音楽担当の佐藤勝。
    この人の名前を知ったのはまだ二十歳前半の頃、NHK大河ドラマの「三姉妹」
    それ以来映画やテレビで心動かされる音の世界には必ず「佐藤勝」の名前があったのを思い出している。

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