この機に乗じ

熱出して一房まるとマスカット
大阪を越ゆる山辺の葡萄園

卵なんて昔は病気のときくらいしか食べられなかった。

バナナも同類にはいるだろう。
まして掲句のような、マスカットなんて庶民の口には遠い遠い存在だった時代。
熱出せば、いいところが母の作ってくれた林檎のすりおろし。
それに、葡萄と言えばせいぜいデラウェアで、それも昭和30年代も後半からじゃないだろうか。いまでは、いろんな種類がふえてよりどりみどりだが、それでも大粒種となるとなかなか高価である。これを一人で平らげるというには勇気が要って、ほとんどが家族みんなでつまむのである。
寝込んだのをいいことに見舞いの葡萄がたちまち病人の胃袋におさまったか。

“この機に乗じ” への2件の返信

  1. 最近の葡萄の新品種には目覚ましいものがありますね。
    ルビーロマン、シャインマスカットとか美味しそうなネーミングです。
    どこかの市場のご祝儀相場で100万円が付いたとニュースになりました。

    今日は7年間学んだ中世古典文学の最終講義。
    平家物語に始まり建礼門院右京大夫集、鴨長明(方丈記、発心集、無名抄)そして今日、六代勝事記が完結した。
    不肖の生徒ではあったが濃密な7年間を懇切丁寧に指導して下さった講師と共に終了後感謝の小宴を催した。
    55年の歴史に終止符を打ち建替えでビル自体が閉館になる為、来月からカルチャー教室は移転する。
    語学、ビジネス、趣味や文学の講座に足しげく通った。
    お月謝ばかり支払い何一つ物にはなっていないが青春の頃から今日に至るまで通いなれた教室には限りない愛着を覚えてやまない。

    1. 貴重な時間でしたね。
      「六代勝事記」というのも初めて耳にしました。こうした記録の集成が今日の歴史感を形成する一部となっているのですね。
      だからこそ記録、文書は正しく客観的に後世に残さねば。

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