煙りたなびく

藁塚の棒よりすでに傾ける

盆地を走ればまだ藁ぼっちを見ることがある。

藁にかわる便利なものがいろいろ開発されても、やはり稲藁でなくてはならないニーズもあるのだろう。
たとえば、霜除けの敷き藁などなど、わざわざ買わなくても自前で調達できるわけだし、なにより正月に欠かせない飾りもの、注連縄などである。
藁塚を組むほどではなくて、田に藁束を円錐形に広げて干している光景も少なからずある。
田仕舞いの煙が幾筋も流れる盆地は、いよいよ晩秋の色をふかめてゆく。

“煙りたなびく” への2件の返信

  1. 稲藁でも燃やしていたのでしょうか、昨日映画館の帰り道珍しく煙が燻る田んぼ脇を走り抜けました。
    田仕舞いでしょうか、いい言葉ですね。

    「ススキボウシ」で検索してみたら懐かしい映像がありましたよ。
    榊原温泉とあったのでやはりあの周辺では藁塚のことをススキボウシと呼ぶのですね。
    ついでに「ふご」という藁で編んだ持ち手のあるものも発見しました。
    押し切りと言い藁を切って飼い葉にする道具もありました。

    今年夏に交換された出雲大社のしめ縄だって藁、特別にそれ用の稲を育てているそうですね。
    まだまだ藁は必需品とまではいかなくても必要とされているのですね。

    1. 「田仕舞」とはもともと「収穫の終った後の祝いの飲食」をいう言葉らしいですね。同じような季語に、「秋収め」がありますね。
      稲架など、収穫後の稲や藁に関係するものの名というのは地方によってバラエティに富んでますね。
      芒ではなく、青いビニールシートの笠をかぶった藁ぼっちなどはいかにも今風です。
      「押し切り」。ザクザクと藁を刻む音が聞こえてきそうです。

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