網膜に焼き付ける

短日や小屋に口籠もるご神鶏

室生無山(むやま)の西光寺の樹齢450年の銀杏が見事だというので午後から出かけた。

山の中腹にあるので、駐車場から坂を登るとそびえるように大銀杏が黄葉している。
半ばは散ったとみられ、境内への石段、境内、築地塀にはびっしり落ち葉が敷いている。
南天にも降り積もって、赤と黄のコントラストが美しい。
周囲を見渡すと、見事な雑木紅葉の山が視界を占める。このあたりは植林をしない山がほとんどなので、里は紅葉紅葉の世界に包まれている。

網膜の神経が赤と黄に麻痺したかと思うほど堪能したついで、市の木ともなっている天理の銀杏並木を見てみようということになった。10年ほど前から、かつて強剪定を続けてすっかり樹勢が弱ったのをあらため、間引き剪定に切り替えたら見事に復活したということだった。すでに4時を廻っていたが、せっかく天理に来たので最後は石上神宮へ。家人に神鶏の烏骨鶏などを見せるためだが、普段なら境内を闊歩しているのが見当たらない。
声のする方へ行ってみると、すでに鶏舎におさまったあとで、暗くなった小屋の中にうごめく影がある。夜はおとなしく保護されているようだ。
終日曇りでただでさえ日暮れが早く感じるのにくわえ、鬱蒼とした参道、境内には灯籠に灯が点り、参拝客はもうまばら。
日は二上山よりずっと南に沈み、初冬の趣きを濃くする夕刻である。

“網膜に焼き付ける” への3件の返信

  1. あっという間に陽が落ちてしまうこの頃、のんびり動いているとすでに薄暗くやり残して明日に持ち越しということになる。

    そんな中、モミジ、イチョウの紅葉黄葉を堪能されましたね。
    先ほど気象予報士が黄葉宣言は気象台のイチョウの標準木の葉っぱが緑から全色黄色になった時なんて言っていました。
    テレビが全国各地の名所を映し出していますが近場にも見所はありそうで明日当たり小春日の散策をしようかと考えている。

    1. 今朝のNHK奈良放送局からのニュースで長谷寺からの紅葉便りを見せていただきました。
      舞台から眺めたモミジと黄葉と五重塔が秋の空に映えていました。
      本物はさぞや、映像でさえまるで絵画のような得も言われぬ美しさでした。

      1. 舞台の左手からカメラを振っていましたが、隅に見えたのが素戔嗚尊神社の銀杏です。
        昨日、宇陀からの帰路に長谷寺の裏に出るルートを選んだのですが、銀杏は一部に緑を残して黄葉していました。与喜山の陰となっているので、日当たりがいくぶん少ないせいかもしれません。
        大和高原を抜けるルートは東吉野の紅葉にも決して負けていませんでしたよ。

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