花籠

ちりぢりに通夜客別れ冴返る
料峭や通夜席甘き花の籠

まほろば句会の選者が亡くなられた。

この一二年めっきり足腰が弱られたが、直前まで元気に投句されて、最後は入院先で九十三年の生涯を閉じられた。
初めて句会というものに参加したのは六年前、都度眼前の季題のとらえ方など丁寧にやさしくご指導いただいたことが懐かしい。
この「料峭」という言葉を教えてくださったのも先生で、寒の戻りが厳しかった今日の風に似合う言葉であろう。
ホールの中は暖房もよく効いて花籠の百合やカトレアなど甘い香りが会場いっぱいに広がっていたが、外との気温差は大きく通夜の儀を終えても誰も語ろうとせずそれぞれ帰途についた。

4 Replies to “花籠”

  1. 93歳で足腰の衰えにも関わらず積極的な投句活動、すごいですね。
    「料峭」いかにも今の時期にふさわしくお通夜の席に似合います。合掌

  2. 料峭や通夜席甘き花の籠

    ほだかさんの「一日一句」の楽しみの一つが 言葉使い。
    「こんな言い方があったんだ!、初めて聞いたぞ~!、
    そんな意味だったの!」と 叫びながら ニヤついています。

    この句の「料峭」も 何これ? 料亭で出す”蛸=タコ”のこと?、
    COPYして 検索したら、「春風が肌にうすら寒く感じられるさま」
    、と。 この言葉を 大先輩のお通夜の瞬時に感じた”空気感”に
    持ってくるなんて!
    大先輩も そうそう こういう時に用いるんだ、と浄界から
    ニヤついておられるでしょうね。

    1. 料峭の風という風に使われます。
      たとえば神戸をイメージして、

      料峭の風に海向く風見鶏

      掲句では「や」で切ってシーンの切り替えを意識させ、通夜席の内と外とを対比させるように詠んでみました。

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