かたすみにあらそひさけて菫かな
どんどん草が萌えるなかにあって、木の下で半日陰となっている場所は遅れている。
だが、そんなところに菫が固まって咲いていることがある。
わざわざ表通りに出て場所争いに明け暮れるより、身の丈を知ってさっさと自分の居場所をみきわめてしっかり地歩を固めようという意志があるように思えてくる。
おのれの本分をわきまえているというか、したたかに生きる道を知っているというのか。
こんな生き方を苦ともせず、自然に生きて來たなら、意外に人生は心豊かになっただろうなと思うこのごろである。
目立たずとも片隅でひっそりと健気に花を咲かせている植物があります。
同様に人間にもそんな生き方をこころがけている人がいるように思います。
そんな人ほど地に足をつけしたたかな人生を送っているのかもしれません。
長いマラソン人生ですから、ペースを守ることが大事ということでしょうね。
むらっ気の多い半生だったようです。
かたすみにあらそひさけて菫かな
『菫』って文字、可愛い10歳棋士・中邑菫ちゃんの登場で、
今年は いっぱい見られそう。
この句も、菫ちゃんの対局を思わせるようで、楽しいですね。
菫というのは小さすぎて、他より早く咲いてしまわないと自分の居場所の確保や種の保存もできませんよね。一所懸命に早春に咲いているのはまことに健気です。
菫ちゃんには世界相手に戦えるよう、たくましく育ってほしいものです。