送り出す

新入生まずは口座をはなむけに

郵便局で微笑ましい光景をみた。

齢格好から見れば高校を卒業したとおぼしき子が両親に伴われて新しい口座を開いている。
雰囲気としてはどこか遠く離れた大学に入学するというので、さしずめ仕送りを受け取る口座をまず開こうという場面とみえたが、どうだろうか。
半世紀以上も前のこと、つまり自分の高校卒業した頃や、子供の大学入学が決まり家人と二人であれこれ送り出しの準備をしてやった20年以上も前のことが瞬時にあたまをよぎって懐旧にひたったのである。
引っ越し業界も人手不足で、あの子の荷物はきちんと入学式前に届いただろうか。そんなことも気にかかる春である。

“送り出す” への2件の返信

  1. 連れ合いや子どもたちをどこかへ送り出したという経験がありません。
    出張すらなくせいぜい修学旅行ぐらい。
    ずっとずっと同居を続け転勤とかも経験なし。
    子どもが所帯を持てば近くに住む、これからは孫たちをどこか遠くへ見送るということが無きにしも非ずかな・・・

    そういえば半世紀以上も前のこと、母が就職のため名古屋へ旅立つ私を見送ってくれたっけ、雪のちらつく寒い朝のことだった。

    1. 50年も前の頃は、口座への振込ではなく、現金書留の時代でした。
      私信を入れてはならぬのが原則ですが、実際には毎月お互いを気遣うなんでもない内容のものが同封されていました。
      いまは電話もあり、メールもあり、LINEもありで、通信手段が様変わりで簡単にやりとりができる時代ですが、手書きの文字に込められた気持ちやら、それを読んでまた故郷の両親のことなど、思いやる気持ちはむしろ昔のほうが濃かったようにも思えます。
      「文字」というのは単なる記号ではなく、そこに書いた人の息づかいをさえ伝えるものなんですね。

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