聴講の万葉集に春惜む
雨催いのなか飛鳥へ。
今日は万葉文化館研究員による「万葉集を読む」講座聴講が目的である。
引っ越して8年たつのにこのような講座があることを知ったのは、先日の飛鳥一人吟行のときである。
毎月第三水曜日午後に開かれてきて、今年で10年近くになるという。これは聞かずにおられない。さっそく年度1回目の現地にかけつけたわけである。
今年度は巻五864番歌から906番歌まで。一回当たり数歌という非常にゆっくりとしたペースで進むので、このペースで行くと生きている間にとても最後まで行き着かないのであるが、体と頭が大丈夫なうちは出席しようと決めた。
行ってみて驚いたことに、改元効果というのか万葉集への関心が高まったようで、いつもの倍くらい集まったということだ。
奇しくも、「令和」の典拠となった「巻五 梅花の歌三十二首の序」の部分は今年1月に終わったばかりで、今日はその梅花の宴を文によって知った吉田宜(きつたのよろし)が旅人に宛てた書簡の回であった。
平日だからほとんどがシニア。あらためてシニアの古典人気の高さを垣間見ることとなった。
どこもかも万葉集ブームですね。
私の受講する講座でも先日は二時間の半分以上が令和の典拠にちなむ万葉集の和歌の講義に費やされました。
今の講座がいつまで続くかわかりませんが一段落したら私も最後の授業は万葉集で締めたいと思っています。
多分時間切れになるとは思いますがもとよりそれは覚悟のうえで・・・
巻頭の「奈良暮らしから」に書いたように、万葉の世界に引き寄せられて奈良に引っ越してきました。
これまで散漫と万葉世界の断片に触れてきましたが、これよりは講座を中心にじっくりと読むことを俳句と併せて続けて行こうと思います。
4,500首の世界はさすがにはるかですが、古代の心を今に引き寄せながらたどるのも悪くはなさそうです。
改めて「奈良暮らしから」を読ませていただきました。
お住いの地で万葉集をひも解かれることは何より幸せなことです。
最も多く歌われたのがご当地ですものね。
思えば万葉集の和歌に初めて触れたのが中学の教科書。
父母が 頭かき撫で 幸くあれて いひしけとばぜ 忘れかねつる
その後茂吉の「萬葉秀歌」を求め又その50年後にはhodakaさんお勧めの犬養孝の「万葉の旅」に出会い飛鳥の記念館を訪れた経緯など思い出は多い。
講師の説明によれば万葉集は現存しない小規模歌集をかき集めて20巻本になった集合体の歌集とのこと。
元々日本には文字がなく口承だったのを漢字が伝わり仮の使い方をしたのが始まりだそうです。
現存(西本願寺本万葉集)する日本最古の歌集「万葉集」の講座の感想、また教えてください。