Time flies

春愁や血をあらそへぬ宿痾もて
はらからと同じ宿痾の春愁

遺伝的体質というものだろう。

めったに電話してこないので珍しいと受話器を取れば、長患い覚悟の入院の報だった。
たまたま毎月の通院日にあたったので、用心のため来月の精密検査を予約する。
十年、二十年の長さのあっという間と実感するなか、訃報のニュースの享年も自分の齢とだんだんと近くなってくると、自分もそれほど遠くない将来にはと思えるのだが、どこかでそんなことを考えるのを避ける自分もいるのだ。
こんなことを繰り返して一年、十年はたちまち過ぎ行く。

“Time flies” への2件の返信

  1. 遺伝的体質を受け継ぐのは宿命のような気がします。
    連れ合いの兄弟は本人も含め三人とも同じ体質の病と付き合いながら末弟から逝き二番目は障がい者に。
    連れ合いも毎月病院通いと薬が欠かせません。
    それぞれに宿命を背負いながら月日は飛ぶように過ぎ気づけば十年一日のごとくです。
    近頃何を感じてか連れ合いは最期は家族だけで見送ってくれるのが一番の望みだと。
    お互いの意思を確認しあうような年齢になってきています。
    今日はちょっぴり深刻な話題に、これも年齢のなせる業でしょうか・・・

    1. 過去にいろんな葬儀に出席して、ほとんどが直接存じ上げないケースだった。考えてみれば当然で、自分の知己はまだそういう年齢じゃないわけで、たいていは知己の父母などの係累の葬儀で、言ってみれば「世間のつきあい」としての参列だったわけで。
      そんなことから、家人とはお互いに肉親だけの内輪ですますことが暗黙の了解となっています。
      本当に悲しいと思う人だけに見送ってもらうことが本望です。

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