時なしの鳥

暮れ残る空は蒼濃く時鳥

店に入ろうとする歩が停まった。

時鳥の声を聞いたからだ。
駐車場から田植がすんだばかりの田がつづき、そのすぐ向こうに目にもはっきり分かるわりと大きな古墳。
どうやらその百メートルとない近さの古墳の裾を巡回しているらしく、夕方の交通ラッシュの騒がしさの中でもよく聞き取れる。
間もなく暮れようという時刻で、未明の枕元によく聞くこの鳥はいったいいつ寝てるのだろうかと不思議になってくる。
「時鳥」と書いたり「不如帰」「杜鵑」とも書いたりする鳥だが、昼夜と分かたず鳴くのでまるで「時なしの鳥」とでも呼んでよさそうである。

“時なしの鳥” への2件の返信

  1. 近頃野鳥の鳴き声をほとんど聞きません。
    ましてやホトトギスなんて先ず聞けません。
    私にとってホトトギスは和歌の世界の鳥になりつつあります。

    朝のBSで正平さんがオオヨシキリを見つけて紹介してくれうるさい!!と言ってました。
    正平さんは虫、鳥など生き物に詳しいですね。
    さぞかし子どもの頃はわんぱくで生き物をポケットに入れたりして遊んだのでしょう。
    少し前なんか蓑虫を愛おしそうにポケットに入れてましたっけ。

    昨夜は満月でストロベリームーンが見られたそうです。
    すっかり忘れていて先ほど外出の帰り東の空を仰いだら大きな赤味がかったお月様がくっきり。
    いつものお月様とは全く色が違っていましたよ。

    1. 今日は飛鳥でぜいたくにも時鳥の競い鳴き、加えて夏鶯の老練ぶりを聞かせてもらいました。こんな経験は初めてで聞き惚れることしばし。至福の時間でした。
      夕べの月は地震のニュースですっかり飛んでしまいましたね。

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