旧質屋通用口の花菖蒲
もうとっくに廃業したとみえる質屋の構え。
利用客がかつて人目をしのんで出入りしたであろう通用口が今でも残されていて、その黒塀の内に立派な花菖蒲の群落が垣間見える。
おそらく営業中の頃から植えられていたのだろうが、いまでも大事に手を入れていると思われる。
いくらか気後れや後ろめたさの残る客の気持ちをささやかにも和らげようという主の心遣いだったのかもしれない。
今ではキャッシングやインターネットでの中古品売買が盛んとなり負のイメージはまったくないが、質屋という商売も時代につれて変わらざるを得ないが、貧乏な学生時代に何度か利用したことがあってせつない青春時代の記憶がよみがえってくる。
数年間のみご近所で質屋が開店したことがある。
質屋がどういうものか全く知らなかったが店主ご夫妻と親しくなったこともあり時々利用させてもらった。
と言っても高速道路のチケットとか時々気に入ったものを買う程度にである。
立派な家を建てて引っ越されてからは一度行ったきりでそれ以後はどうしてらっしゃることだろう。
今日のブログで思い出したが一度寄ってみようかしら?
「流す」だと「流れた」だの、何とも悲哀まつわる質草の話。今じゃ落語の世界くらいしか残ってないかもね。