変わらぬ流れ

飛鳥川七瀬の淀の水澄める
飛石を洗ふ水澄む飛鳥川

今日は35度近い日を飛鳥吟行。

10月とは思えぬ暑さに石舞台に向かったものの、涼を求めて飛鳥川沿いを歩く。
玉藻橋を渡ろうとしたときのことだ。橋の下を猛スピードでくぐり抜ける鳥がいる。水面すれすれに飛ぶところを見るとあれは間違いなくカワセミだ。しばらく姿を探すが、あっという間の出来事で見失ってしまった。
あきらめて足もとの川をのぞくとちょうどそこは飛鳥川本流に支流が合流するポイントで、瀬音が涼やかで気持ちいい。祝戸方面へさかのぼり、稲淵宮跡へたどりついたところで引き返すことにした。

「七瀬の淀」というのは万葉集巻7ー1366の、
明日香川七瀬の淀に住む鳥も心あれこそ波立てざらめ
を拝借したものだが、大友旅人の巻5-860にも、
松浦川七瀬の淀は淀むとも我れは淀まず君をし待たむ
見られ、「瀬があまたあって淀んでいるところ」という意味だろうか。
落差の大きい飛鳥の谷を大きな石をかいくぐるように水が落ちてゆくわけだが、祝戸あたりからややゆるい流れに変わりあちこちに淀みを作っているあたりは、昔とたいして変わらない光景なのだと思えた。

“変わらぬ流れ” への2件の返信

  1. 飛鳥川にもカワセミがいますか。

    昨日今日、真夏並みの暑さのなか歩くのは大変でしたね。
    明らかに数年前より気候が変化しています。
    私が飛鳥に行ったのは9月半ばでしたがあの当時はもっと秋らしい爽やかな陽気でした。
    七瀬の淀に住む鳥はひょっとしてカワセミだったのでしょうか?・・・

    1. 飛鳥川には上流下流ともカワセミをよく発見します。
      水が浅いうえ、止まり木になるような枝が多く張り出しているからカワセミにはよき漁場なのでしょう。

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