西望む挽歌の歌碑の秋の声
弟背とも背子とも詠みて秋の声
桜井市の二上山を西に望む吉備池畔にはふたつの歌碑がある。
ひとつは大津の辞世の歌とされる「もゝつたふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲がくりなむ」であり、もうひとつは大伯の「うつそみの人なるわれや明日よりは二上山をいろせとわが見む」。
文武に秀で万葉に懐風藻に名を残した大津皇子の大ファンである私は、姉弟の歌碑が並び立つという事実、もうそれだけで胸が絞られるような切なさがこみあげてきて、そんな情がじゃまをしてなかなか句を授からない。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
西望む挽歌の歌碑の秋の声
弟背とも背子とも詠みて秋の声
桜井市の二上山を西に望む吉備池畔にはふたつの歌碑がある。
ひとつは大津の辞世の歌とされる「もゝつたふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲がくりなむ」であり、もうひとつは大伯の「うつそみの人なるわれや明日よりは二上山をいろせとわが見む」。
文武に秀で万葉に懐風藻に名を残した大津皇子の大ファンである私は、姉弟の歌碑が並び立つという事実、もうそれだけで胸が絞られるような切なさがこみあげてきて、そんな情がじゃまをしてなかなか句を授からない。
お気持ち、すごく解ります。
この時代が好きな私にとってもこの姉と弟には思い入れが多すぎます。
特に大伯皇女は初代伊勢斎宮を務めお互いを思いやる歌は涙を誘います。
今、京都国立博物館では「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」が催されています。
藤原公任が選んだ飛鳥から平安三十六人の歌人たち。
絵巻が断簡に切断されてから流転100年の今年、住吉大明神を加えて三十数点が展示されているようです。
チケットは買ったもののいつ行くか迷いに迷っています。
と言うのも一か月余りのうち前期後期が展示替えされたり日によって内容が変わるらしいのです。
何に的を絞るか人物、和歌、書、う~ん困ったな~
それは悩ましい、というか、ぜいたくな悩みというか、おおいにお悩みください。
佐竹本ということはあの大名家の佐竹氏でしょうか。最近見つかった定家本「若紫の帖」も三河の大名家が黒田藩から譲られたものだとか。
いまだに眠っている宝がまだまだありそうです。今後も新たな発見に期待したい。
清和源氏の流れを組む秋田藩、佐竹家は鎌倉時代以来の名門 。
鎌倉時代に絵は似せ絵の名手とされた藤原信実、歌は後京極良経の筆とされています。
一人で買うには余りの高さに切断されて売りに出されたものが紆余曲折を経て財界人や茶人の手から手に流転を繰り返し様々なエピソードを生みます。
ちなみに当時大正八年ごろの一万円は今の一億円を超えるそうです。
あるところにはあるものですね。
近場での持ち主は愛知県半田市のミツカン酢との事で絵は藤原敦忠
あひみてののちのこころにくらぶれば昔はものを思はざりけり
有名な宝石といい、名画といい、オーナーの変遷はつきもので、それぞれのストーリーがあって興味深いものです。