菊仕舞

枯菊を焚いて平群の夕けぶり

風もなく煙りが山襞を埋めるように漂っている。

山に挟まれているので逃げ場のない煙がとどまっているのだ。
空はといえば久しぶりの大夕焼け。底は谷間特有の暗さがつのってきていて、幽玄な趣さえある平群の谷である。
平群町は小菊の産地。山が烟るのはおそらく山の菊畑を焼いているのだろうと思われる。田仕舞ならぬ菊仕舞である。

“菊仕舞” への4件の返信

  1. 今日の夕焼けもきれいでした。
    菊も終わりですね。菊仕舞、素敵な言葉です。
    菊畑を焼いて来期に備えるのですね。

    先日「たき火」を聴いての投句
      落ち葉焚き白きけぶりの通学路

    1. 通学路に靄がかかっているような通学の朝。光景が浮かんできます。街では落葉焚きも禁止されてこんな光景は見られなくなりました。

  2. 枯菊を焚いて平群の夕けぶり

    晩秋から冬への移ろいが、目に浮かぶ、とても好い句ですね。
    そう言えば、関東は、菊の影が薄いですね。関西では、秋になれば、枚方で
    代表されるように、各所で菊人形展が見られました。それに関西では菊を
    群れて飾ります。ボタンやバラの様な単品鑑賞は余りなじまなかったですね。
    — 群れて飾った菊を枯れるのを待って焚く、好いですねぇ。

    1. そうですね、東京では菊人形というのはあまり人気もありませんでしたね。ほとんどが展覧会に競って出すような菊が主流で、各行政で催しが見られます。市長賞とか、ね。

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