往診の看護師つれず路地薄暑
当地は午後休診というクリニックが多い。
午後は夕方5時からというような具合である。
何故なのかなとは思っていたが深く気にもとめずにいたが、たまたまかかりつけ医と街なかの路地でパッタリ遭ってその理由が分かった。
挨拶もそこそこに彼はある家の門をくぐっていった。彼の家のあるところではないようだ。
どうやら、訪問医としての往診のようであった。それこそ、手ぶらで、おそらくポケットには聴診器くらい入っているだろうが、ぶらりと門のなかへ消えてゆくのだった。急を要するという風でもなく、住宅は新しくもないが立派なお屋敷のようであるし、高齢の方の在宅治療のいつもの訪問であろうかとは推測できるのである。
今日あたり空気が入れ替わったようにからりとした青葉風が吹く日である。
昨日今日とひんやりして過ごしやすいです。
両親も身体が思うようにならなくなってからはかかりつけ医の訪問診療を受けていました。
都会ではなかなかそうはいきませんが昔の田舎のように往診して下さるお医者様あれば高齢者にとっては助かりますよね。
今は緩和治療など在宅医療をになうところもあって、ずいぶん便利に、というかありがたいこととなりました。
長く入院できない仕組みになって病院にも見放され、頼るところはこのような在宅医療しかありません。
なかには、廃人同様の扱いでいいなら死ぬまで置いてくれる病院もあるようですが、実の肉親をそういうところに押し込めて平気なわけではないでしょう。
畳の上で、家族に看取られながらというのは理想的な最期ですが、そうもいかないのがこの身です。