紀路越

紀路ぬけて大和は茅花流しかな

大和の支流という支流は茅花盛りの堤である。

強風、突風というものが少ない盆地だが、それでも風は吹く。
今は梅雨入りを前に茅花の穂が風に靡いて、まずまずの季節なのである。
南からの風の入り口はせまく、おおかたは大峯の高い嶺々よりも紀ノ川沿いの低地から吹いてくると考えてよさそうである。
曽我川も、飛鳥川も、平群川も、盆地を流れる川はすべて大和川の支流であり、その支流すべてに茅花の穂が揺れているのである。

“紀路越” への4件の返信

  1. 堤防の法面は茅花の穂で真っ白、まるで芒のように風に揺れている。
    もう一つはキバナコスモスに似た外来種との競演である。
    短い季節の間にも次々と草花は変化を見せてくれる。

    1. 黄花コスモスの繁殖力もすさまじいですね。
      一見きれいだから雑草刈してもそこだけ残したりしてさらに広がっていきます。
      新コロナウィルスといい、いままで目にすることのなかった生きものがどんどん進出しています。逆に、人間が彼らの世界に足を踏み込んだせいでもあるんですが。

  2. 紀路ぬけて大和は茅花流しかな

    これは好い句ですねぇ。
    金剛葛城の頭上高く登り、南方を眺め遣った鳥瞰。ほだかさんは、繊細さだけでなく、こんなにスケールの大きな句を作るんですね。もう一つ、好いなぁと思ったのは”語呂”。KIJI・NUKETE と TSUBANA・NAGASHI の真ん中にやわらかな やまと を挟んで!
    ド素人鑑賞者ですが、上手い!!

    1. お褒めの言葉に恐縮してしまいます。
      あとから読み返してみて、紀路から大和入りしたのは作者という意味にもとれますね。むしろそれの方が自然かもしれません。
      ただ、俳句は時間の経過を詠むとまず失敗すると言いますので、う~~ん。

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