真一文字

菊の香や遺影の母は微笑みり

参観日の母は誰よりも美しかったのが自慢だった。

死化粧を施してもらって久しぶりに紅みがさした頬を見ながら小学生時代の一コマを思い出した。ただ、真一文字に結んだ唇はその後の厳しい人生の証であるかのようであり、容易に人を寄せ付けない意志の強さを示しているようでもあるのに驚かされた。
享年89歳。

“真一文字” への6件の返信

  1. 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
    最後までよく看取られたものと敬服いたします。

  2. 一日遅れとなりましたが、心からご冥福をお祈りいたします。
    看病・介護でお疲れのところ、葬儀・告別式などが続くので、体調管理にご留意下さい。

    私の母は私がケニア在勤中に93歳で逝ってしまい、死に目に会うことはできませんでした。
    今でも、時折夢に登場する母はいつも笑顔で私を励ましてくれます。

    1. 仕事とはいえご母堂の最期に間に合わなかったのは辛いことですね。それに比べて私は最期の息を引き取るまでそばに居られたので満足しております。

  3. 心よりご冥福をお祈りいたします。
     お母様の最期をご自宅で看取られて、大変だったけれどよくやったという気持ちと多少の安堵感とが今おありでしょうか。
     しばらくは何かとお忙しいことと存じます。ご自愛ください。

    1. 東京にいる頃から気にかかっていたので、正直申せば最期を看取ることができて肩の荷を下ろしたような心境です。ただ、それが自己満足にすぎず、制約の多い闘病生活を強いられた母にとって本当によかったんだろうかといつも気にかけていたという面もあります。
      今となっては詮無いことですが、もっと早くに発病に気づいてやれたらどんなによかったでしょう。

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