折り目

雛衣の色褪せしける旧家かな

古代雛ともなると日焼けし色褪せもしてくる。

それでも、何代にもわたって受け継がれてきた家の歴史を誇るように、毎年毎年雛を飾るのである。武家であったろう家には雛の間に鎧兜も、刀や槍、長刀などもあろうし、商家には商いの品々もあろう。
何百年と続いた城下町に住む人たち自身も、あらためて我が町の歴史に思いをいたし我が町を愛しむのだ。

色褪せたりといえど、雛の衣は折目正しく緊張を保っているのである。

“折り目” への4件の返信

  1. 年月を経ても由緒あるものはそれなりに気品があり凛としたものがあります。
    雛のお顔の表情も時代の変遷を反映しているのでしょうね。

    そう言った所の住民の町への愛着はやはり相当深いものだと思います。

    1. 説明してくださる方はどなたも大変誇らしそうでしたよ。また、イベントによって町の素晴らしさを再確認しておられるにも見えました。まちの活性化という意味では成功していると言えるでしょう。

  2. お雛様は1年に一度短い期間だけ飾るだけだから長期に亘り使用に耐えられそうに思うけど、虫食いにやられたり、手あかで汚れ傷んだりすることもあるので、目に見えないところでの手入れや保管は大変なんだろうね。
    お雛様の顔が少し汚れていたり、着物が色あせたりしているのも、かえって歴史や風格を漂わせて、新しいお雛様より温かみを感じますよね。
    良いものは何時までも大事にしたいものですね。

    1. 中には全焼の焼け跡から拾い出してきたものもありました。災難をくぐり抜けてきたものへの愛着というのは一入のものがあるんだと思います。

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