窓からの光景

鵯の逆立ちしたる椿かな

昼食後見るとはなしに庭を眺めていたら、一羽の鵯がフェンスに止まった。

どうやら目当ては鉢植えの椿らしい。来るぞ、来るぞとみていたら果たして一番上の細い枝に止まった。随分長い間蜜を吸ったあと、今度は2番目に移ろうとするのだが、具合のいい足場がなかなか見つからないらしく下から背伸びしたり、首を伸ばししたりしているがどうしても届かない。すると、しばらく木を離れて思案の末、今度は花の上の枝をつかんで逆立ちする以外に方法はないと判断したらしく再挑戦、ようよう蜜にありつけた。

なんともないような光景だが、鳥たちの行動は眺めていても飽きないものがある。その後しばらくして、今度は見慣れないやや小型の番がやってきて庭に降りてはしきりに地面を突っついている。調べてみると羽の模様や嘴の形などから「河原ヒワ」とわかった。これは留鳥なので1年を通して見られるはずなんだけど、実際にこの目で見たのは今日が初めてだ。

ちょっとした時間でこれだけ観察できるくらいだから、気がつかずにいる鳥の世界にはまだまだ興味深い生態があるのかもしれない。

“窓からの光景” への6件の返信

  1. 「鳥」ってなかなかじっくり観察できません。
    近づくとすぐ飛び立ってしまいます。
    今日も桜の咲き具合を見に土手に上がったら黄色いくちばしのスズメより大きめの鳥が二羽飛び立ちあっという間の出来事で観察どころではありません。
    良く観察すると面白い光景に出くわせるものなのですね。

    桜はチラホラから三分咲きといった所でしょうか。
    更に歩を進めると堤防の斜面で保育園児が段ボールで芝滑りをしていました。
    これがまた可愛らしくキャッキャッと楽しそうで見てる方も思わず笑みがこぼれます。

    ああ、息子たちにもこんな時があったな~
    今じゃ、一人で大きくなったような顔をして親に婆さん、あんたとホザクおじさんに・・・
    しばし園児の姿に息子たちの幼かったころを思い出す春の一日でした。

    1. 黄色い嘴というのは、大きさが鵯くらいだったらまず椋鳥でしょう。これは群れで行動することが多く、最近増えていて、街路樹の上などをねぐらにするものだから困ったちゃんです。わりと人が来ても逃げないですよ。

      乳幼児というのは、誰が見ても文句なしに心和むものですね。成長とともに無条件なかわいさが失せるというのは真理でしょう。

  2. 私も鵯のそういう姿見たことがありますよ。見る方も動かないようにじっとして、息をひそめないといけません。 鳥も賢いですよね。生きるため、食べるため、それぞれ創意工夫しているのでしょうねえ。 名前を知らない鳥もいっぱいで、この歳になっても学ぶことが多すぎて困ってしまいます。

    1. 鳥によって近づける距離が違うので、気配を消すみたいな真似ができれば別ですがそれなりの接し方があるようです。上から目線は猛禽類に用心してるのでペケ、ただし夢中で食事中とか下から見る分には割と警戒心が薄れるみたいです。
      ぜひ鳥の名前を覚えて作句にも活かしてください。

  3. 鳥の観察、余裕のなせる業だと思います。鵯の逆立ちですか、面白いですね。

    鵯や椋鳥、雀に比べるとけっこう大きいのに細い小枝にも難なく留まっていますよね。重くないのでしょうか。桜のてっぺんによく留まってますがあれも蜜を吸ってるんですかね。

    1. じっと見ていると作句のヒントを結構もらえるものですよ。虚子の言う「客観写生」ですかね。

      今桜が満開ですからヒヨドリが蜜を吸いに来ていると思います。ヒヨドリというのはひょうきん者で、パン屑を空に投げると空中でうまくキャッチする芸当を披露してくれますよ。

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