桜の井一夜で埋む芥かな
古井戸に降り敷く花の吹雪かな
桜井の井に花散りぬ花の散る
落花掃く人の未だに来たるなし
落花掃く能はぬなりし雨やまず
庭掃くを躊躇ひをりて花の散る
桜井駅を南に向け出発すると10分も行かないうちにそれはあった。
「櫻の井」跡。
夜来の春嵐で井戸に懸かる桜が一面に花を落とし、いわれが彫られた石碑も例外なく散った花びらをまとっている。
5世紀初頭第17代履中天皇がこの地においでになって、桜の花が散りかかるこの井戸の水を賛美されたということから「櫻の井」と呼ばれている。
ほほっ~ そういういわれがあったのですか?
それでは天皇様がお越しになったのもこの時期だったようですね。
奈良は他所にはないゆかしい地名が多く名前を聞いただけで憧れてしまうような所が多いようにおもいます。
「櫻の井」とてもいいですね。
当時は大王さんですが、桜の時期にお出ましになったんでしょう。
案内標識に「桜の井」とあるのを発見したときは、「あ、これだ」とすぐに分かりましたね。市名は由緒ある名前だったんですね。400年頃の話ですからね。何ともはや。。。
そうですか、そういうことで桜井なんですか。ピッタリですね。
桜井というと昔は楠正成の桜井とばかり思ってました。今は玉鬘の桜井ですけどね。
句も見事に詠まれていると思います。桜の散った後散りカスが地面いっぱいに落ちています。あれを花の芥と言うんですか、なるほど。芥を落すと一斉に新緑になるということですね。
考古学で今一番熱いのも桜井ですね。纒向遺跡からつぎつぎと新発見があって邪馬台国跡ではないかとか、箸墓古墳が卑弥呼の墓ではないかとか。行政もまほろばの中心であることを誇りにアピール事業が盛んです。
私もtwitterのひみこちゃん@himiko__chanをフォローして最新のニュースを得てます(笑)
何の気なしに桜井と言っていましたが、「櫻の井」からなんですか。いわれを知ると一層その地名に心惹かれますねえ。
このように地名には何らかの歴史があるのに、最近のように合理的に改名してしまう風潮は残念です。守るべきもの、大切に残しておくものを再考する必要がありますよね。
おかげで、こういうものを実際の目で見ながら歩くと断片的な情報がつながってきていろいろ覚えることができます。履中さんは「5世紀初頭で第17代」とか。奈良検定にもつながるかもね。
東京では昭和の時代にずいぶん美しい街の名前が消えましたね。京都では条里制の名残が強いのでそうでもないようですが。町の名前ではないですが、2,3日前の報道では京阪「河原町」の駅名を「京都河原町」に替えようとしたら地元から大変な抗議があったそうです。やはり地元を守り育てていくためのコミュニティが残存していることも大事ではないかと思います。
今回巡った地域など東山中には「当家制の宮座講」がいまだに残されています。当家というのは大変負担が大きい制度ですが、それでも今に残す努力が払われていて地域共同体の意識が大変強いところです。