係留中

懸崖の枝ともづなに浮巣かな

大仏池から大講堂を望む

転害門をくぐって東大寺山門内に入る。

くぐると言っても、実際は門自体は通行不能なので脇を通るのだが、そのまま真っ直ぐ行けば正倉院敷地でその突き当たりを右に曲がると大仏池を経て東大寺大講堂の北西裏手に至る。

大仏池はかつては写真正面に見える大木の辺りまで広がっていたというが、水路から流れ込む土砂によってだんだん埋まってきて景観を損なっているので浚渫を検討しているという。
大仏池の浮巣
年々狭くなる一方の池ではあるが、鳰は変わらず巣を営んでいるようだ。写真をアップしてみてください。真ん中部分小さなシルエットですが、池に被さるように成長した大木の枝に舫うようにして巣を編んでいるのが見えると思います。鳰としてはなかなかうまく考えたもので、浮巣とは言うもののこれなら簡単に流されることはないだろう。

鹿の糞いよよ匂へる薄暑かな

奈良公園は日が昇り暑くなるとともに、鹿の糞の匂いが強くなってきた。まして雨後となればなおさらである。

“係留中” への6件の返信

  1. 二倍にアップして更に拡大鏡で見てみました。
    おもしろい習性ですね。鳰はよほど軽いのでしょうか?
    流されないようにちゃんと枝にからませているのも知恵ものですね。

    そう言えば琵琶湖では葦に絡まっているのを見かけますよね。

    1. 人は増水すると流されてしまうという点に浮巣のあわれさ、はかなさを感じるわけですが、流されてもすぐにまた巣をかけ直すという習性があって、案外に彼らは意に介してないのかもしれません。
      琵琶湖の別名が「鳰海」ですから、浮巣というのは琵琶湖によく見られる光景なんでしょうね。十両にも同名の力士がいますが、すぐに滋賀県出身だと分かります。

  2.   この鳰は賢い!!
     なんとなく浮巣をつくるのではなく、流されないように、身の安全を考えて場所の設定をしているんですね。 この鳰の真似を他の鳰もするようになると、鳰の進化が見られるかもね。

    1. 2月堂の方から水が流れ込んでくるのですが、少々の雨なら全然問題なさそうです。問題は、真似をしようにもこれほどの大木が他にはあまり見かけないことかな。

  3. さすがすごい観察眼ですね。よく撮れています。古都の静かな池で鳰ものんびりできるんでしょうね。

    1. 浮巣はたまたま通りかかったところに発見できたのがラッキーでした。雨の翌日だったので鹿の糞が柔らかくて往生しましたが。いつも超広角のレンズしかつけてないので、被写体がどうしても小さくなります。10メートルほどもない距離ですがシルエットで捉えるのがやっとです。
      上の写真を撮った場所は日曜画家のポイントでいつもキャンバスを開いている人がいます。新緑の季節はましてというところでしょうか。

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