風なきに沼縄をゆらすもののあり
陵濠の主かぬなはを揺らしゆく
今日は佐紀路の佐紀盾列古墳群を巡って平城京・大極殿に至るコースを吟行するまほろば句会。
このあたりはNHK・BS3「火野正平 こころ旅」の奈良編初日の舞台であった。
最初に、近鉄・京都線の平城駅を降りて緑豊かな神功皇后陵、成務天皇陵、日葉酢媛命(ひばすひめのみこと、第11代垂仁天皇皇后)陵を巡ると、句材がありすぎて選択に困るほどだった。
まずは成務天皇陵前の濠をびっしりと埋めていた蓴菜(じゅんさい)。古語では「沼縄」(ぬなわ)というらしい。花がまだ咲いてなくても葉の形からみて睡蓮の仲間だろうとは思っていたが、名を教えてもらって得心がいった。
その下を亀なのか、鯉などの魚なのか、姿は見えないが何かが葉の下をくぐるのだろう、葉がこちらからあちらへと順にゆっくりと揺れてゆく。
「沼縄」ですか。 古語はそのかたちそのものを表現していますね。シンプルです。
山茶花7月号の奈良公園吟行の際のほだかさんの
「若楓枝にかけたるお品書き」
軽やかな句で五月の風を感じました。
5月19日の一日一句をさらに推敲したのですね。
句作りがしっかりと日常に組み込まれてきましたね。
これからもいい句を作ってくださいね。
朝が早いですね。7時前から机の前に座ってらっしゃるんですね。
推敲は逆なんです。7月号が当日会場で詠んだもの。5/19は「かける」を「吊る」に変えたものです。手を入れない方がよかったかな?
今日は早起きでした。食事前にパソコン開きました。早起きした方が午前中を有効に使えそうですね。これから暑くなるし、早起きしようと思いました。
好みによると思いますが、私は「吊る」よりも「かける」のほうが、語感としても音からも良いように感じます。
主宰選をもらったくらいなので元の方がいいんでしょうね。
ジュンサイ(沼縄)とは良く言ったものです。
以前旅館で食べた時、初めて口にする不思議な食感、これ何?ジュンサイでした。
それ以来、結構好きな味になってしまいました。
改めて5月の句を拝見しました。爽やかさが増しましたね。
例の万葉植物園の隣の「荷茶屋」を思い出しました。
昔この茶屋、火吹き竹で火をおこし、参拝客に茶を振る舞っていたそうですね。
「火吹き竹」懐かしい言葉を見つけました。
これを使って子どもの頃、五右衛門風呂に薪をくべて風呂を沸かしていました。
火起こしする時、空気を入れるために竹筒の底に穴をあけたもので吹くのです。
釣瓶での水くみも嫌いでしたが風呂焚きも嫌いなお手伝いでした。
余談です・・・
蓴菜は秋田あたりの旅館ではよく出してくれますが、奈良あたりが南限なんだそうです。「大和じゅんさい」というブランドもあるという話を聞きました。
火吹き竹などは今では使ってる家もずいぶん稀になって、民俗博物館などへ行かないと見られなくなりましたね。昭和もずいぶん遠くなったような気がします。
古墳群の吟行ですか。いいなあ。古代史に思いを寄せながら俳句を詠む。蓴菜についても知識を仕入れる。俳句も上達することでしょう。
常連参加メンバーには大阪の方もいて、古墳用語には皆さん強いんですごく勉強になります。
たとえば、陵の守衛さんを「守部」、殉死した部下たちの墓を「倍墓(ばいちょう)」などなど。ほかに蛇を「朽ち縄」と言ったりとか。「とみかうみ(左見右見)」などは、伊勢物語21段より「門に出でて、とみかうみ見けれど」など古典の重要性もひしひし感じております。キヨノリさんの得意とするところですから未来は明るいですぞ。
そうですか、いろいろ勉強になりますね。
子どもの頃、蛇の事を「朽ち縄」と呼んでいました。
確かお祖父さんがそう言っていたのを思い出しました。
これも古い言葉なのですね。言葉って面白い!!
「夜さり(夜が来る)は危ないから気をつけて」とお祖父さんからよく言われました。
源氏で見つけて明治生まれのお祖父さん、すごいと思いましたがこれも古い言葉の名残だったのですね。
そうですか、「朽ち縄」は実際に使われていましたか。俳句は古語を使ってもちっとも古く感じませんね。韻をふんだり、語感であったり、幅広く使えるんですよね、日本語は。
もっと古文に親しんでおけばよかった。。。。
朽ち縄、夜さり は小さい頃私も聞いたことがあります。
今でも、地方に行けば行くほど、昔の言葉が残っているようです。 古語の雅は田舎に存在する。これが現代です。
「古語の雅は田舎に存在する。これが現代です。」。まさに、言い得てるようです。
そうか、「くちなわ」とは蛇の一般名称ですか。ウチは親父がよく言ってましたがある特定の小さな蛇(正式名称は知りませんが)の異称だとずっと思ってました。よく分かりました。古語の雅は田舎にあり、、、なるほど納得です。