金切り声

公園の鹿脅かして叱らるる

煎餅を売りつつ鹿の守りびと

奈良公園では毎年100頭を超える鹿が交通事故で命を落としている。

それでも総数が減らないのは関係者の努力に負うところが大きいわけだが、その一端を垣間見る思いをしたのを詠んでみたのが掲句だ。

正倉院展のある奈良博に向かって登大路を歩いていると、「追っかけたらあかん!」という金切り声がする。思わず振り返ると、一人の若者が逃げ回る鹿を追っている。鹿は一目散に道路を横切り公園に逃げ込んだわけだが、声の主は鹿煎餅を売るご婦人。鹿を脅かしたら当然のように鹿は逃げ、それが交通事故を呼ぶ。年間100頭というのは何故なんだろうと思っていたが、このような無知な人による行動が理由で命を落とす鹿がいるのだ。
若者はすごすごと隠れるようにその場を離れたが、誰でも分かりそうなマナーすら身につけてない人が多いのだと思うと暗然としてしまうのである。

“金切り声” への4件の返信

  1. お店の人は事故を目の当たりにしたりもしてるかもしれませんね。
    少し前に鹿の角を切りに行って捕まったなんて人も居ましたね。。
    ですがよく声をあげたと感心してしまいます。
    とんでもない人も居るので人に注意をするのは怖いものです。

    1. こういう人が多いので、普段から注意して見ているのかも知れません。それにしても、年に100頭以上というのは行政の怠慢以外の何物でもありませんね。

  2. もう正倉院展が始まりましたか・・・
    一年の早いこと、早いこと。
    博物館前で鹿にまとわりつかれたのを思い出しました。
    とんでもない輩がいるのは困りものですね。

    1. 今年はいつもより人出が少ないような気がします。おかげでじっくり見ることができました。バッグなどを開けようとすると、鹿が相変わらずやってきます。

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