三重塔夕照

黄落や暮れてなほ地のほの浮かび
黄落や昏るるにしばし間のありて
黄落や昏るるにいまだ迷ひをり

夕日が法輪寺の三重塔を照らしている。

法輪寺黄落

山門脇の銀杏の葉が斜光を透かして明るいものがあれば、影を作っているものもあり、そのコントラストが際だった時間帯だと言える。
また、山門の屋根をよく見ると丸瓦に寺の文字が刻んであったりして、なかなか凝った意匠である。小春の、むしろ暖かいほどの半日を散策に費やしていると、帰るべき時間はとっくに過ぎているのであった。

“三重塔夕照” への4件の返信

  1. 日本の秋の素晴らしさをここかしこで堪能させて貰っている。
    しかし大和の秋はとりわけ絵になりますね。
    この屋根瓦、塔の相輪は何処でもみられるものではありません。

    徳川園の手入れされた完璧なお庭も素敵ですがやはり四方八方山に囲まれた田舎の自然には叶わない。
    360度ぐるりと見廻すと色とりどり、段々の紅葉が得も言われぬ風景です。

    1. 今朝のNHKニュースでは京都・真如堂の紅葉中継でした。洗練された美もいいものですが、南都の素朴な美もまたいいものです。
      喜ぶべきか哀しむべきか、京都ほど混雑しない南都の秋もまたいいです。

  2. 京都ほど混雑しない、、、重要なことですね。
    手入れされた長谷寺境内もいいですが初瀬界隈の周りの素朴な佇まいが楽しみです。。

    1. 桜井市の金谷という集落に立つと、海石榴市っていったいどこ?って感じで、昔をしのぶよすがもありません。そこから長谷寺に向かう街道もかつて大王の宮があったとは信じられないくらいで。途中、集落の標識に「出雲」なんて出てくると、国譲り以前の時代をしのぶこともできます。

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