芽吹く音

山笑ふ耳をすませばふつふつふつ

折口の「死者の書」のオノマトペが強烈だ。

「した した した。」
二上に埋葬された大津の墓の中を滴る音。
「した した した」と微かに響くコンケーブを抱いた二上山を今日間近に見てきたが、山全体が「ばあーっ」と膨張するように迫ってきた。いっせいに芽吹きが始まった山は、まるで泡のようにふつふつと沸いてくるようで、もはや地下の滴りの音は耳には届かない。

“芽吹く音” への6件の返信

  1. この躍動感、何と表現すればぴったりくるのかしら?
    やはり「山笑う」が一番でしょうね。
    ふつふつふつ、うまく詠まれましたね。

    1. この山には特別な思い入れがあるせいか、どうしても舌足らずな表現に終わってしまいます。現代俳句風に詠むにしても、中七が説明的でちっともいけてませんね。

  2. 「山笑ふ」、春の躍動感、喜びを醸し出しそれだけで一気に俳句の世界に導いてくれるホント素晴らしい季語だと思います。暖かくなってきましたね。

    1. どうしても取り合わせの句が多くなりがちな季題ですね。取り合わせはその距離感が勝負。いい句を読んで勉強しなくちゃね。

  3. 昨日は合唱団の定例練習で大船にでかけたのですが、駅を出て大船観音を見ながら練習会場に向かっているとウグイスの声が聞こえました。
    帰宅後、夕方のNHKの天気予報を見ていると、何と横浜でウグイスの初鳴きが観測されたと解説しているではないですか。
    昨日は20℃を超える暖かさだったので、ウグイスも陽気に誘われ春を感じて鳴き出したんですかね。

    1. Masaruさんにとっても初音だったんですね。
      横浜気象台は山手の外人墓地前ですから、木も多くて鳥も多いんでしょうね。「生物季節観測」を見ると次は雲雀の初鳴きが公表される予定みたいですよ。

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