里山の春

蝌蚪生れて谷津の主役になりにけり

谷津というのは丘陵が削られて谷状になったところで、里山を形成する典型的な環境と言える。

谷戸、谷地とも呼ばれるが、関西方面ではあまり聞かれない用語である。
関東ならば各所にこの谷津が見られ、地形上水も集まりやすいところから田や畑として利用されることが多い。つまり、谷津と水とは切り離しては考えられず、豊かな環境が形成されることから、近年昔ながらの環境が残されているとしてクローズアップされることが多い。
春になると小川の水温も上がり、ちょろちょろ流れる水面は長くなった太陽の光を受けてキラキラ光っている。冬の間主役不在だった谷津も、澱みを見ると小さなオタマジャクシが群れをなして賑やかになってきたようだ。

“里山の春” への8件の返信

  1. 先週の土日と田舎暮らしをしました。
    里山の景色は今が一番。
    四方の山々は緑のグラデーションの段々模様。
    その中でも椎の木は一際目立ちます。
    水を張った田んぼは早苗が青々。
    そして河鹿がコロコロと美しい鳴き声を聞かせてくれます。
    友人の畑でこの景色を眺めながら宝の山だね~と讃えあいました。
    そして帰っておいでよと・・・

    1. そうですね、今は山がモコモコしています。椎や樫なども葉の交代でさらにボリューム満点。三重はもう田植えが終わったんでしょうか。早いですね。
      自然環境の良いところにいてのんびり過ごせれば命も伸びるように感じます。帰れるところがあってうらやましいと思います。

  2. 26~27日に別荘の畑に出向き、ジャガイモの種芋の植え付けとトウモロコシの種まきをしてきました。連休明けには苗物を植え付けるため、石灰をまいて準備をしてきました。
    別荘周辺には山ザクラや山吹などが咲き、田んぼには早くも水が張ってあり、田植えの準備も進んでいました。
    庭にはカモミールがあっと言う間に増えており、野生のすみれが濃い紫の花をつけ、石垣の芝桜が咲き始める等、春を感じさせる景色になってきました。

    1. 別荘には春が一気に来た感じなんですね。健康的で結構なことです。
      午前中にキュウリ、シシトウ、万願寺唐辛子各一本ずつ植えてみました。

  3. 当地早くも田植えが始まりました。連休中には終わるようです。農道畦道でヘビとカエルに出会いました。躍動しています。

    1. お住まいの近くは自然環境に恵まれてるんですね。もしかしたら当地よりも動植物の種類が多いかも知れませんよ。
      最近はどちらかというと、小さい虫たちとの戦いです。とくにあのカメムシが異常に発生して匂いには参ります。スミチオンくらいでは死にませんからね。あきらめが半分というところです。

  4. 蝌蚪生れて谷津の主役になりにけり

    目が止まってしまいました、「蝌蚪」と言う漢字に。
    中国語のままですね。
    谷津は 鎌倉を想います。
    朝比奈切通しから十二所神社に抜けるあたりは
    まさしく この谷津の地形。峠から下って行くと
    水流が現れ、所々に池塘が出来ています。
    今頃歩くと、この池塘の周辺には蝌蚪がびっしり。
    気味が悪いですが、生命力を感じる瞬間です。

    1. こんにちは。中国語にお強いようですね。
      そうです。「おたまじゃくし」では長いということもあって二字ですむ「蝌蚪」を使うようになったようです。日本語では他に「かへるこ」もあるようですが四文字なのであまり例を見ません。
      発展して「蝌蚪の紐」はご想像通り、紐状になった卵のかたまりです。
      歳時記を見ると素晴らしい句が並んでいます。

      この池の生々流転蝌蚪の紐 高浜虚子
      川底に蝌蚪の大国ありにけり 村上鬼城

      関東では鎌倉のほかに、多摩丘陵などでも典型的な例を見ることができますね。

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