峠の牧

夏燕四角に牛舎くぐりけり
黒南風や牧の泥濘ただならず

今日は三重県境にある里山に吟行した。

九十九折の山道をたどると、峠近くからは露湿りの風に牧の匂いが混じってくる。
やがて売られる運命にある牛たちの牛舎に近づくと、その匂いがさらに強くなった。

見渡してみると、雨が近いせいか燕が数羽しきりに低く飛ぶ。
開け放たれた牛舎のなかに飛び込んだかと思うと、そのまま直線にではなく直角に曲がってくぐって行った。

“峠の牧” への3件の返信

  1. 子どもの頃、近所で農作業のために牛を飼っている家が結構ありました。
    玄関わきに馬屋があり牛が外に出ていることもありました。
    牛が繋がれている家の軒先で遊んでいてボールを追って馬の近くまで行った時、馬の尻尾にはねられて泣いて家に帰った記憶があります。
    のどかな時代が懐かしいです。

    1. 尻尾でよかったですね。蹄だったら大変なことでした。

      母の実家では牛を飼ってたのを覚えています。谷水でよく洗ってたのも。

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