ご自由に

除湿器にマスクの眼鏡くもりけり

診察券を出すが早いか、マスクをつける。

月一度薬をもらいにクリニックへ行くのだが、インフルをもらっては大変だから受付カウンターに「ご自由に」とあるマスクを一個もらう。日常マスクをすることはないが、都会に出たり、今日みたいにクリニックにいくときは予防のため必ず使用する。
眼鏡をしてじた時分はこれが厄介で、満員の電車、暖房を効かせた部屋などでは曇りとの戦いである。
内科クリニックでも除菌を兼ねた除湿器の白い霧がもくもくたっており、エアコンが入っていてもそれなりに湿度が保たれているから、瞬間周りが真っ白ということも珍しくない。
老眼がすすむとともに近眼が治ってきたのが不思議で、もう7、8年は眼鏡なくても不自由しなくなったから、マスクの敵はなくなったのだが。

當麻寺吟行

雨兆す風に落花のしきりなる

當麻寺吟行の日。

ちょうど練供養の日に当たり、花も期待できるとあって楽しみにしていたが、予報では昼頃より雨。
10時頃山門に着く頃には急に風が変わって、いよいよ雨催いの空である。
仁王門の桜が一陣のつむじ風に巻き上げられて落花おびただしい花吹雪となる。
雨兆す風と落花と。これは句になるに違ないのだが、いまひとつ物足りない。とくに下五が平凡に過ぎるのである。

その答が出句のなかにあった。

雨を呼ぶ落花の風となりにけり

完全に脱帽である。
案の定、主宰の特選となった。