溜池放流

池水を引いて代田の泡まみれ
水口の塗りに手練れの代田かな
星景の底に代田のあるばかり
ひとところ水漬かぬままの代田かな

貼り紙に池水解放の日にちが書いてあった。

はたして、山の池につづく急傾斜の水路をごぼごぼ音をたてながら代掻き用の水がくだってゆく。
雨の少ない盆地は例年梅雨入り頃の溜池の水を放して本格的な田植えが始まる。いまは半分ほどの田に水が張ったようだ。
田の土はこれまでたっぷり日を浴びて温度が上がっているので、代掻きが終わったばかりの田は白濁したままで泡だっている。
このあと畦塗りして、落ち着いてくると代田の水も澄んできていよいよ田植えを迎える。
今日日曜日も山の田に向かって耕運機が公道を登ってゆくのを見た。あたりはすっかり宅地化しても、昔から在の人たちがやってきたやりかたでむろんナンバーレス。なんとものどかである。