硬と軟

歌碑撫づるやうに芽柳揺れにけり

佐保川には万葉歌碑が多い。

川面の上をすっぽり覆うほどの大きな柳がおりしも芽吹いたばかりで、幹の根元にある坂上郎女の歌碑を抱くように揺れている。
歌碑の堅い感触と柔らかい柳の対照が絶妙なバランスを見せる瞬間だった。

地味に

芽柳の枝ふれあうて風誘ふ
遠目にもあをむ一本柳かな

芽柳を手にとって見ると、すでに花芽をつけているのに驚く。

柳の花とはイメージがないが、考えてみると、植物である以上たとえ目立たなくても生殖のための器官があるのは当然であろう。
だが、NHKのチコちゃんではないが、「ぼーーっと」生きてると柳にもそんなことがあることさえすっかり頭の外にあるものだ。今度見かけたら、どんな風に咲くものなのか、とくと観察してやろうと思う。