ケーキの道

犬四手の黄色塗せる落葉道

林の一画が明るい。

犬四手の薄い葉が黄葉して光りをよく通すし、幹の周りに散り敷いた落葉がまた明るい黄色で、そこだけ地面から浮き上がるように存在を教えている。
茶色がかった他の雑木の落ち葉に振りかかるようにして散った黄色は、まるでチョコレートケーキにマロンの欠片をまぶしたようにも見えてくる。遠目にもモンブランケーキのようで、そんなことを考えながら散歩していると様々な色した楓の敷く道は何と言うケーキに似ているだろうかと考えるのだが、なかなか思いつかないのだった。

土質改良

園丁のブロー吹き寄す落葉かな
腐葉土に半ばなりたる落葉かな

落ち葉の季節。

広い公園にはシルバーセンターから派遣された人たちが、落葉をかき寄せている。狭いところは熊手で、広いところはエンジンを回して風をおこし吹き寄せるわけだ。
このあと回収の軽トラが回ってきて、バックヤードに運ばれていき、腐葉土や堆肥のもとになるのだ。
腐葉土は櫟の葉がいい。薄いが量も多くて質のいい腐葉土が期待できる。
川越のサツマイモが有名だが、長い年月をかけて櫟の森から作った腐葉土、堆肥をほどこして水持ち、栄養保ちの悪い関東ローム層の土を改良した土に負うところが大きいと聞く。

旧嵯峨御所大覚寺門跡

苔庭の落葉掃くより弾きたる
山茶花の散るを意匠に苔の庭
水鳥の広く遊べる庭湖かな
大池の北はよく溶け枯蓮
枯蓮を撮って白雲映りこむ
名勝の名のみとどめて滝涸るる

想像以上に立派なお寺に圧倒された。

さすが門跡寺院の代表とされるだけの気品があり、短時間に見て歩くにはもったいなさすぎる。また、大沢池の広さはどうだ。さまざまな冬鳥も到来して、留鳥ともどもあまたいるのに、ちっとも狭さを感じさせない。あと千羽くらい飛来したとしても特別多いようには感じないのではないだろうか。

そのうえ、名古曾滝跡脇にある歌碑を見てはたちどころに百人一首55番藤原公任の歌と教えてくれる友もいて、なんともゴージャスな旅だ。

御所見学

楝の実あふぎ始まる御所ツアー
蔀戸をあげて御所貼てふ障子
水曲げて落葉ただよふ御庭かな
実南天ここが小御所の鬼門らし

源氏物語完読旅行2日目は京都御所から始まった。

職員の案内で約1時間の見学だが、印象としては御所暮らしというのは意外に質素なものだったようだ。天皇のお住まいだといって金ぴかに飾り立てるどころか、逆にかつてお住まいだった清涼殿などは調度も質素に地味に設えられ、冬を越すにはいかにも厳しそうだ。東京遷都まで実際に住まいとして使われた建物などは、外は寝殿造り風でも内部は書院造り風で畳も敷かれてはいるものの、民の上流階級並の家と変わらないほどだ。
象徴的なのは障子で「御所貼り」という独特の貼り方だ。これは大きな紙は貴重だったので、小さな障子紙を何枚も貼りつなげる方法でその継ぎ目模様が大変ゆかしく美しい。

八幡さんの参道

踏む音を聞くものひとり新落葉

図書館への近道に八幡さんがある。

大きな斜面をトラバースする形で、ちょっと上ってから下る道なんだけどその頂点にある。まわりは西に3,40年ほど前に開発されたと思われる住宅地、南に昔からの在、そして東に僕が住む10年ほど前からの住宅地に囲まれている。
この八幡さんは、10月に秋留秋祭りといって太鼓台の練が地区内をめぐる祭があって、その時だけは賑わうのだが普段は閑散としている。ただ、氏子が掃除など面倒をみているようで、いつ訪れてもきれに掃き清められている。

最近では、椎葉だろうか、裏参道にはまだ落ちたばかりで形がはっきり残っている落ち葉が嵩高く積もっていて、歩くと靴の踵あたりにまとわりついてきて歩いた跡がはっきり分かるように残る。落ち葉がまだ湿度を含んでいるせいだろうか、あのカサカサという乾いた音ではない。

図書館の行き来に

駅頭掃いても掃いても落葉ふる

近鉄・信貴山口駅前の紅葉がすばらしい。

桜紅葉はすべて散ったが、もみじの葉が落ちるのはこれからだ。紅葉が終わると、今度はもっと小さい葉が散るのだとは管理人の話だ。