草木もほける

返り花散るを忘れて雪柳

雪柳が花をつけたまま年を越してしまった。

葉ごと枝全体が茶色に化して、それはきれいな末枯れぶりだ。
それにしても変な年である。ブルーベリーの一本も紅葉したまま葉を落としていないし、枯れるものが枯れないで、散るものが散らないで。年末の寒波があったとは言え、やはり全般に暖かくなったのであろうか。

風を避けて

おんな坂選りてすみれの返り花

小春ともなれば返り花が見られる頃。

意外な花が、意外な場所で狂い咲くのを発見すると思わず足を停めることになる。
お参りの急階段を避けて遠回りの道を選んだら、返り花のご褒美にあずかったという構図である。
それも、女坂に相応しく小さくて、下手すれば見落としかねない菫を取り合わせてみた。風を遮るような石垣の間にでも顔を見せているのが想像できるだろうか。

再挑戦

文集に昔の吾や返り花

昔仲間と書いた会報が散逸していたのを再び集約して再発行したものが届いた。

仲間とはある大先生を慕う会で、年に一回会うおりそれぞれ近況を寄せ合って会報としていたものだ。その後先生が亡くなられたあとは集まることも少なくなって会報も途絶えている。
読み返してみると、自分の年々の仕事内容やら考えていたことなどが書かれていて大変懐かしい。しかも、自分でいうのも変だが、今読み返してみても己が書いたものとは思えないようないい文章を書いていることに驚く。

引っ越しの際かなりのものは処分してきたが、先生の書かれた詩集はすべて手許にある。もう一度読み返してみたら、今ならもっと理解できるかも知れない。