薬味

今朝方のかほりのままの茗荷汁

まるでかぐや姫でも探すように。

茗荷の叢をまさぐるように顔を出したのがいないか確かめる。数日前まで姿形も見えなかったのが昨日突然あらわれて驚かす。なかにはもう花をつけはじめるものもいて、それまでの探索が甘かったことを知る。
というのも、茗荷というのは日陰の陰湿なところに茂るので、さらに徒長して藪のようになりかねないうえに、当然草を動かせば潜んでいた蚊がわんさと寄せてくるのである。
腰をしっかり音して地面を食い入るように眺めながら探すのはちょっとした労働なのである。
今日の昼にはやはり菜園の大葉と一緒に素麺の薬味に加わることになった。

自前

いちどきに獲れるものなり茗荷の子

雑草に隠れて気づくのが遅れた。

あまりにも暑かった今日。余熱が強烈なので夕方玄関周り、庭など水を打つことにした。
いくらか涼しくなった気がしたので、思い切って茗荷のあたりの草を押しのけてみると、すでに咲きかけた茗荷が点々と存在を訴えている。
このままでは時期を逃してしまうと思い、蚊の襲来を受けながらも両手にあまるほどの茗荷の収穫があった。
昼は冷たいそばや素麺が多いが、自前の紫蘇、オクラに今度は茗荷が加わることになる。
ありがたいことにトマト、茄子、胡瓜、ピーマン、シシトウなど自前の野菜中心にまわる毎日である。

小ぶり

茗荷の子膝をすすめて掘りはじむ

放っておけば庭中に広がると聞いている。

そこで、プランターで毎年少しの茗荷をいただくのだが、さすがに何年かたつとプランターがはち切れそうに株が育って、かえって発育が悪くなったようだ。それで今日やっと顔を出し始めたので探ってみると、やはりどれも小さい。
小さいからとしばらくおけばすぐにも花が咲いてしまいそうで、片っ端から折り摘むことにした。
さっそく昼の素麺の薬味に消えて、どうやら今年はそれっきりで終わりそうである。