実朝忌刺客ゐさうな切通し
全没。
結社の月例句会にデビューした。
兼題は「立春」と「実朝忌」。席題は「和布」であった。
立春というのは古今あまた詠まれているのでなまじの句では到底通用せず、今回は取り合わせも可能な実朝忌一本で七句出句。掲句はそのうちの一句。実朝の暗殺は陰暦1月27日。当日は春の大雪で鎌倉は積雪60センチだったという。
互選ではまあまあの票をいただいたのであるが、主宰選ではどれも選ばれなかった。
自分でも一、二句くらいは並選があろうかと期待はしていたが、少々ひねりすぎたようで反省しなければいけない。
普段の句会に比べてお歴々が壇上ずらりで緊張もしたが、いい勉強にはなった。
来月の捲土重来を期して頭を切り換えようと思う。
実朝忌ですか、難しい題ですね。
私も実朝は好きであふれる思いが山ほどでとても詩にならないです。
大銀杏何を語るや実朝忌
鎌倉右大臣、歌詠み(しかも子規絶賛の)、源氏頭領(甥に討たれ嫡流は三代で滅亡、関東武士の主導権争いに巻き込まれ)、父と異なり官位を所望(うまく後鳥羽にも利用された)、などなどいろいろある人なのでそれを踏まえた句がいいと思いました。拙句、
坂東の風は冷たし実朝忌
には多くの評をいただきましたが、都に憧れながらも、坂東の覇権争いに巻き込まれ非業の死を遂げたことを込めて詠んだのですが、かえってそれが作意ありと思われたのでしょう。