人日の回覧廻す亭主かな
期せずして新年の挨拶を交わすこととなった。
お隣からはいつもなら夫人から回覧板が届けられるのだが、今年の新年第一回はご主人がインターフォンに立たれた。
いつも無口なかただから言葉を交わすことも少ないのだが、今回は新年でもあるのでそれぞれ二言三言の御慶を述べあった。
お隣も職をひいておられるのでおたがい時間はあるのだが、男同士というのはえてして顔を合わせることは少なく図らずもの挨拶である。
昨日七日は人日の節句、というより七草粥の日というほうがポピュラーだが、元日を「鶏の日」として以下「犬」「羊」「猪」「牛」「馬」「人」「穀」と決め、それぞれ該当のものは食べない(殺さない)とされた。したがって、今日八日は穀物を食べてはいけないわけなのであるが、現代人の暮らしからはどれもすっかり姿を消してしまったようである。