春の命

髪切虫空中散歩しゃれこんで

髪切り虫の飛翔は独特である。

体を立てて、翅を左右に大きく広げたまま横移動するかのように移動して行く。
まるで空中散歩しているようでいて、あれでは子供たちの網に簡単に引っかかるにちがいない。
玄関先でときどき見かけるのであるが、虫と言えば蓑虫のこどもみたいな、1センチにも満たないものも壁などに帆を立てて動いている。あんな小さいうちから袋を隠れ蓑にしているのだろうか。
蟷螂も2センチほどに育ってきた。
春の命が着実に育ってきているのだ。

けふ立秋

くまぜみのしきり飛び交ふ朝のうち

枝から枝へしきりに移りながら飛ぶ。

居場所求めて居心地のいい枝を選んでもいるようだ。
それが一段落すると、こんどはしきりに鳴く。
二時間ほど鳴くとやっと落ち着いたようにクマゼミの時間は終わる。
毎日こんな繰り返しの日が続いて、たまにはミンミンゼミなど他の蝉を聞きたいものだが、暑さが変わりないうちしばらくはこんな日が続くのだろう。今日が立秋だというのに。

残暑?

コンビニの灯に吸はれゆく夜の秋

溽暑のあとは極暑。

連日35度を超える日が続く。
だが、明日は立秋だという。
昨日も書いたが夜は風も出てずっとしのぎやすくなる。しかし、家の中は熱がこもっているのでエアコンが切れるところまではいかない。
明日からは同じ暑さでも残暑となるが、居残りの暑さという感じは全くなくていよいよ暑さ本番と言ってもよさそうな暑さである。

音速

喝采の時空歪める遠花火

今日の気温は実質38度。

気象台よりは2,3度高いのが実感だが、もう体温をとうに超えて汗かくのさえ難しいほどである。
それでも夕方から風が出て随分体感温度が低くなった。
朝夕に涼しさを感じることもあって、いまは夏と秋との境目、行き合ひの頃なのであるる。
各市町の花火大会もこれかrで、音速の意外に遅いのを感じながら小高いところにある自宅の窓から楽しむのである。

滝見は涼し

滝壺の瀞となりゆく深みかな
句座涼し通し座敷の大室生

久しぶりの外出。

それも少人数の吟行句会である。
標高のある、句友のどっしりとした館の通し座敷に風がふきぬけてエアコン知らず。
密集にもならず密接もなし、安心して合評にわいわい。
やはり俳句は座の文芸である。

ひたすら

向日葵のうつむいてゐる昼日中

急な暑さに向日葵がげんなりしている。

35度の日が続けばあの向日葵だってよほど堪えるのだろう。
人間はもうひたすらエアコンの庇護のもと部屋にいる他はない。

また会う日まで

素直には返れと言へぬ帰省かな

社会人も人の上に立つ身となれば簡単に帰省できない事情が増えてくる。

それなりの年齢にもなれば義理の親の入院や介護であったり、今年はまたコロナウィルスが全国を席巻している状況ではまして難しい。
今日もしばらく子と電話してまたあえる日の来ることを期待するのであった。