寒卵は今日まで

節分の椀に割りたる生卵

明日は立春。

立春には生卵が立つと言うが、その卵も今日までは寒卵。明日からはただの「卵」。ただ明日だけは「節分卵」という名を頂戴するわけであるが。
何はともあれ今年の冬も今日でおしまい。
いい春でありますよう。

勢い

冬物を見切り売りしてハイトーン

売り尽くしである。

声から注目を浴びようと、あの手この手の売り文句。
殺し文句の代表が「在庫もあとわずか」。人の心理をうまくついて通販で大きく成長した企業がある。
名物社長はどうやら子息に後を任せ悠々自適どころか、あらたな分野に挑戦中とか。
消費者に受けられる企業は勢いもあって育つが、いっぽうで後継者難、市場減衰などで店をたたむところも多い。
高齢者比率の高い奥能登で店や生業を再興するには壁が高いことだろう。
一極集中しすぎた政策は地方の活力を奪い、ますます衰退するばかりである。

精気

雨しみて身ぬちざはめく四温かな

温かい、まるで春のような雨だった。

土さえしっとりとして、熱を帯びてきたような精気を感じさせる。
心の中では、もう春だ、春だと叫んでいる。
今年は明後日三日が節分。暦のうえでも春がそこまで来ている。

ふた月目

降りかけた雨に手かざし春を待つ

冬の雨だけど冷たくはない。

手に触れた雨はもう春の感触。
一月もあっという間に過ぎていったが、おなじく冬もいよいよ去ろうとしている。
私には短い一月だったが、いまだに避難所暮らしの被災地のかたがたにとってはとんでもなく長く感じられたのではないだろうか。
二た月目に入って心身ともに新たな疲れにめげませんよう祈るばかりです。

アニバーサリー

パン屑の鎧の下の牡蠣の腸

牡蠣は好物のひとつ。

牡蠣酢もいいし牡蠣の鍋もいいが、やはりパン粉をしっかりまぶしたフライをパリッと囓るのがいい。
中からは柔らかで甘い香りがたって噛めば噛むほど旨味がます。
こうなれば付け合わせのキャベツもうまくて、何回かお代わりしてしまうものである。トンカツの付け合わせのキャベツもいくらでも食べられるほどうまいが、この時期の柔らかいキャベツでいただく牡蠣フライはいちだんとうまい。
五十何回目かのアニバーサリーを僕の好物で祝う夜となった。

脱する

ホ句のこと失念をりし春近し

昨日はとうとうやってしまった。

10年以上続けていた投句をすっかり忘れていたのだ。
77回目の誕生日を迎えてすぐの大失策。
体も脳もだいぶくたびれてきたようだ。
昨日今日と二日続きの10度超え。寒さの底は脱したか。

おっとっと

南天の赤粒ひとつ玄関先

今年の南天は長くもっている。

11月にはすでに真っ赤な実になっていたからかれこれ三ヶ月もの間落ちないで頑張っている。葉も寒さから赤を通り越して紫に近い。
それに沿うように千両の黄も鮮やかで、双方ともなかなか見どころが長く続く。
今朝玄関ドアを開けたら、真っ赤なで大きな実がひとつぶ転がっているのを危うく踏んでしまうところだった。