正倉院展

天平のペーパーナイフと緩き冬

入館まで45分ほど行列。

平日というのに正倉院展は大変な人気だ。近鉄奈良駅を降りたときはみんなが奈良国立博物館に向かうのではないかと思われるほど、いかにもそれらしい雰囲気の人の群れ。
だが、瑠璃杯を見た途端息をのむような美しさに人波の疲れなんてたちまち忘れてしまうほど。ポスターに描かれた絵に描いたような杯とはまるで別物のような奥深い神秘的なブルー。当時の貴族たちはこれらを片手に遙かシルクロードからやってきたワインなぞをすすっていたのだろうか。時空を超えていろいろなことを想像させてくれる逸品であった。

ペーパーナイフというのは刀子(とうし)と云われる10センチほどの刀身とそれを装飾を極めた鞘。文房具なのだが腰にぶら下げる装飾品としての性格が強い。小さいとはいえ刀身は完璧な剣のかたちをしているうえ、1300年を経ても錆ひとつなく光り輝いている。

“正倉院展” への9件の返信

  1. 確かにあのブルーはパンフよりずっと深みがありましたね。
    平成6年以来18年ぶりの公開と言うからここしばらくは見られないでしょうね。
    色美しい玉類も素晴らしいものでした。

    現在まで状態も素晴らしく保存されているというのもすごいことです。
    前回の公開では香木、蘭奢待も公開されたとのことで一度は見てみたいですね。

    1. 十数年のサイクルで展示されるようなので、次回はもう見るチャンスがないと思うとぜひ見に行きたくなりますね。

      昨年「蘭奢待」の展示がありましたが、想像以上にでかい木でびっくりしたことを憶えています。

      1. 「蘭奢待」ご覧になったのですね、羨ましい!!
        ひょっとしてもう見る機会は訪れないかも?
        そうなればやはり長生きして是非見てみたいな~
        蘭奢待に東大寺と言う文字が隠されているのご存知でした?
        今日、平家の先生が教えてくれました。

  2. 羨ましいな!やはり京都、奈良という日本文化の発展の中心的役割を担ってきた都に住んでいるメリットを遺憾なく享受できますね。
    何といっても日常生活の中に古き時代の遺跡や文化があること自体がすばらしいと思いますよ。
    いつか機会を見て再度正倉院展に行きたいですね。

  3. テレビのニュースで見ました。千年以上も前の品とは思えない物ばかりで驚きです。
    瑠璃色というのは紫がかった深い青。というのは知りませんでした。
    緑がかった青かと。また一つ収穫です。

    1. 1センチくらいのガラスの輪を貼り付けるのは今の技術でも大変むずかしいそうです。これがみごとに処理されていて感動ものですよ。

  4. いいもの見ましたね。感動のほどが伝わってきます。
    こういう文化遺産の保存・継承は時代時代の責任なんでしょうね。ただ保存していくだけでは
    ダメで人々に列を作って見てもらい感動を味わってもらわねばなりませんものね。
    日曜美術館でチラッと見ましたが生のレポートでおすそ分けをいただいた気分です。ありがとうございました。

    1. 教科書で見た「紫檀の琵琶」もまるで時代を感じさせないほど保存が見事でした。そのうえ象眼技術というのか、工芸品としても一級品で当時のレベルの高さがうかがえ、弦さえつければいまにも「び〜ん」と響きそうでした。

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